アウトソーシング「雇用助成金手続き不正」など
工場製造ラインに人材を派遣するアウトソーシングで不祥事が公表されたのは2023年8月1日、同日に外部調査委員会の設置も発表された。同年6月に、連結子会社のアウトソーシングテクノロジーで雇用調整助成金の申請手続きが適切に行われていないことと、一部の取引先との取引プロセスに疑いがあるという内部通報が寄せられたことが発端となった。
社内調査で、雇用調整助成金の支給申請に当たり、必要な書類を本人ではなく、申請担当者が代理申請していたことが発覚。さらに取引先との取引開始に当たっても、受注先の契約書が作成されていないといった社内決済プロセスの不適切処理が判明した。
外部調査委員会は、雇用調整助成金の不正取得については、グループ内の各社において同時多発的に申請に対して不適切行為が行われており、一部の社員の問題ではなくグループとしてコンプライアンス意識が欠如していると結論づけている。同様に、取引先に対する不適切な社内決済プロセスについても、コンプライアンス意識の欠如と指摘している。
なお、同社は21年にもグループ内の複数の企業体で架空計上や費用の繰り延べ等の不正会計が発覚。翌年3月に東京証券取引所に改善報告書を提出している。
そんな中、23年12月にアウトソーシングは米投資ファンドのベインキャピタルと組んでMBO(経営陣買収)を発表、非公開化する流れとなっている。
タムロン「経費で女性と“不適切な関係”を続けていた前社長」
光学機器メーカーのタムロンは2023年8月22日、不祥事の発生と特別調査委員会の設置を公表。同年7月9日に同社内部通報の外部窓口に、社長が出張に第三者の女性を同伴させ、経費を私的流用しているとの報告が寄せられたことが発端だった。
タムロンの監査役および社外取締役が事実確認の調査を行うと、同伴旅行の事実以外に、少なくとも過去5年間にわたって月数回、通報にあった女性が関与する飲食店で社長が飲食し、その経費を会社に負担させていたことも発覚した。
特別調査委員会の調査によると、内部通報の通り、23年6月には米ハワイ出張に際して件の女性を同伴。帰国後、打ち合わせなどの海外出張報告書を作成し、社長自ら決裁に押印し事務方に提出していた。さらに19年の米ラスベガス・ロサンゼルス出張でも女性が同伴、コーポレートカードを使って飲食代を払い、ハワイ出張と同様の社内処理を実行。この出張では飲食費や宿泊費のほか、リムジン代なども会社に負担させていたことも判明した。さらに18年のドイツ・フランス出張、17年にはタイ・バンコク出張にも女性を同伴させていたことが発覚した。
23年11月1日に公表された特別調査委員会の報告書では、①企業トップの著しいもモラルハザード、②社内飲食に関するルールの未策定、③予算策定・交際費承認プロセスの不備、④交際費承認プロセスにおけるチェック体制の不備、⑤社長領域の聖域化が不祥事の原因となっていると結論付けている。