創業元社長辞任から“空白の9カ月
一方で、元社長らに対する会社法違反(特別背任)の容疑で、三栄建築設計が警視庁の捜査を受けたのが昨年2022年9月上旬。そして、元社長が「一身上の都合」を理由に代表取締役を辞任したとの発表があったのが、11月1日のこと。それから今年2023年6月20日に東京都公安委員会の勧告が下されるまで、その間、9カ月弱に及ぶ。
今回、三栄建築設計側が発表した一連の適時開示で、昨年12月20日にはすでに社内で「調査委員会」(6月22日に同委は第三者委員会に移行)が設置されていたことが判明した格好だが、逆に言えば、社外においては同社内で何が起きているかは知らされていなかったわけだ。
加えて、6月20日に創業者が社長辞任後に就任した前社長と前副社長が辞任した。この2トップの辞任については、三栄建築設計側のリリースによれば、〈両名について勧告の理由となった事業への関与があったとは認められていない〉ものの、前社長との〈従前の関係〉を鑑みた結果、元社長の経営への影響を排除するために辞任の申し出を受理したとある。これまた逆に言えば、創業元社長による“院政”のような体制が敷かれていたことを窺わせるものと言える。
この点について、東京弁護士会の民事介入暴力特別委員会委員長を歴任した桝井信吾弁護士は、三栄建築設計の対応について、「後手後手の感は否めず、決して、褒められた対応とは言い難い」と評価したうえで、以下のように語る。