ACFE JAPAN岡田譲治理事長「不祥事続く日本 2025年は“公認不正検査士”元年に」【新春インタビュー#3】

ACFEを“不正防止ネットワーク”のハブに

私は1974年の入社から2019年に常勤監査役を退任するまで、商社一筋のビジネスパーソン人生を歩みました。メーカー出身の方などには「商社はいろんな事業があって、好きな仕事ができて良いですね」と言われることがあります。実際にそういう面はあるかもしれませんが、商社ビジネスの基本も「リスク管理」なんですね。

どの業種でも同じかもしれませんが、与信管理はもちろん、いまや商社の事業も内容的にも地理的にも深く、広くなっており、リスクは多様化・複雑化しています。そのような環境下で利益を上げなければならない以上、残念ながら、組織の中には不正に手を染める者もいるのです。

経理・財務部門を長く担当してきた私は、そのような不正の芽をいち早く発見し、どうやってその芽を摘むかに腐心してきました。このことがのちに監査役、そして現在のACFE JAPAN理事長として不正防止に関わるうえでも大きな経験となっています。

ACFE JAPAN理事長の立場から2025年について言うと、金融機関、メーカー問わずに各組織が不正対応について総点検してほしい。その際、公認不正検査士(CFE)が果たす役割はとても重要なものだと考えています。

CFE資格は米国のナレッジが基本になっていますが、これは日本にも転用できるものが多い。そして何より、CFE資格者がその知識や、場合によっては不正をめぐる教訓を共有できる“場”としてACFE JAPANがあります。

ただ、不正防止・検出に関わる方は多くの企業・組織の中では圧倒的に少数でしょうし、どうしても、組織内で孤独を感じてしまう面もあろうかと思います。そういう側面を考えると、もっとACFEが不正防止をめぐるネットワークのハブになっていく必要がある。そのために、同じ志や課題を持つ方々の交流の場を少しでも多く提供したいと考えています。

私自身の抱負で言えば、理事長として、もっとCFEの存在を社会に認識してもらうよう努めたいと強く思っています。そのような意味でも、2025年は「公認不正検査士元年」にしていきたいですね。

(取材・構成=編集部)