オアシスに対抗した内山前会長の‟情報戦
(#3から続く)フジテック前会長の内山高一の資産管理会社、ウチヤマ・インターナショナルは、元日興コーディアル証券取締役会長の木村一義(ビックカメラ元社長)や元野村証券専務の津田晃、元財務官僚でIMF(国際通貨基金)日本政府代表理事を務めた小手川大助ら8名の取締役選任を求めるものなど、9議案を提案した。内山自身は候補者とはならなかった。6月2日、内山は、弁護士の河合弘之や取締役候補たちとともに日本外国特派員協会で会見した。
内山は言う。
「私はフジテックの社長を長く務めました。これまで数多くの国内外の投資ファンドと対話してきたが、みなさまにグッドジョブ、グッドカンパニーと言われたことはたくさんあった。しかし、オアシスはフジテックの長期ビジネスモデルとは正反対の短期、しかも株式取得と売り抜けによる譲渡益を目指している。
オアシスは、私が社員を使って庭仕事をさせているとか、息子の学費を会社に払わせたなど、私の家族のプライベートの一部を捏造し、全くの偽りの情報を流しております。この点については、すでに損害賠償訴訟を提起した」
配布された株主提案のプレゼンテーション資料「フジテック株式会社の強く持続的な企業価値向上のために」(アイキャッチ画像参照)には、〈オアシスが、長期持続的な企業価値創造を目的とする、日本のコーポレートガバナンス改革の旗手のように、振る舞っている現状には、強い問題意識を持ってい〉るとして、こう書かれていた。
〈オアシスがアクティビズム戦略を活用している投資案件には、長期的な株主価値創造を犠牲として短期的なリターンの獲得を成立させているものが目立ちます。(中略)デリバティブによる議決権の水増しや、空売り、ネガティブキャンペーンによる印象操作などをアクティビズムと組み合わせた投資戦略は真の企業価値創造につながらずアクティビスト以外の全ステークホルダーにとってマイナスにはたらくと考えます〉
資料には、オアシスがアクティビストとして関与したプラスチック製品メーカーの天馬(東京)、富裕層向け不動産のレーサム(東京)、通信機器のサン電子(愛知)の株価や収益性が低迷していると指摘したうえで、〈フジテックの財務・株価パフォーマンスにアクティビストによる改革が必要なほどの大きな問題があったか? そのように見えない〉と批判したのだった。