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フジテック#4 前会長のオアシスへの反撃と限界【株主総会2023】

攻守を替えてオアシス側社外取締役に疑義

#2で紹介したように、オアシスは臨時株主総会でフジテックの社外取締役の独立性に疑義を示したが、内山たちもオアシスが送り込んだ現任の社外取締役に「独立性の疑惑」を示して見せた。たとえば、こんな具合である。

〈セス・フィッシャーと社外取締役候補の(クラーク・)グラニンジャーは少なくても、2009年からの10年を超える 付き合いであるとの情報が得られており、オアシスからの独立性を欠くことは明らかです〉

〈社外取締役候補その他3名(トーステン・ゲスナー、海野⽒、嶋田⽒)は、ヘッドハンターではなく、オアシスにプライムブローカレージサービス(ヘッジファンド向け総合サービス)を提供するゴールドマンサックスからの紹介で、2022年1月ごろ(臨時総会の1年以上前)から、フジテックに送り込む取締役 候補として関係が存在していたとする情報が得られています〉

「FREE FUJITEC」に掲載されたオアシス側社外取締役へのネガティブキャンペーンの一例

さらには、フィッシャーの過去の醜聞も暴き立てた。「FREE FUJITEC」のプレゼンテーション資料では、過去4カ国で空売り規制に絡み、米証券取引委員会、香港証券先物委員会や日本の証券取引等監視委員会などに制裁金を課されるなどしたことを指摘した。これら情報戦の末に、株主提案(内山)側の候補者だった小手川は、オアシスをハゲタカよりもえげつない「マウンテン・リーチ(山蛭)・ファンド」と切り捨てたのだった。

守勢に転じたオアシスは、ほとんど反論らしい反論もなく沈黙を守り続けた。

しかし、内山の抵抗もここまでだった。ウチヤマ・インターナショナルの株主提案は、支持を全く得られなかったのだ。

特設サイトで追及されたオアシスの疑惑 株主提案…
追放された創業家が“返り咲けない現実” 内山た…
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