意外な!? セクハラ認定7事案を一挙解説~令和の「ふてほど」はどこまで?~【野村彩弁護士の「ハラスメント」対策講座#3】

ハラスメント研修後の“感想”も要注意!

⑤「おばさん」「おじさん」と呼ぶ

「おじさん」「おばさん」「おばん」などの、年齢や世代を揶揄するような呼び方は、「侮蔑的」な人格権を侵害するものであるとした裁判例がある*3。このほか、オヤジ、ババアなども同様であろう。

*3 和歌山和歌山地判平10.3.11 判タ988号239頁 判時1658号143頁

なお「ハゲ」のように外見について人前で罵るような行為は、侮辱罪として犯罪にもなりかねない。

「冗談でした」「飲み会のノリでした」という言い訳はまったく通用しないので注意したい。

⑥頭をポンポンとする

物理的な接触は、言葉によるものと比べて格段にハラスメントのリスクが高い。

褒めたり慰めたりする際に、部下の頭をポンポンすることがあるかもしれないが、よろしくない。「肩が凝った」と言う部下の肩を揉む、熱がある部下のおでこを触る、服についているゴミをとってあげる……。いずれも避けるべき行為と言える。

ちなみに「壁ドン」は、もちろん御法度である。

以上6つは、基本的には裁判例でも認定されたことのある「明確な“ふてほど”」事案である。本稿に書いてあるような行為は一発アウトだが、ここまでいかないような行為でも3トライクでアウトになることもある。

しかも、経営トップ層のみなさまは、さらに曖昧かつグレーな行為であっても、地位が危うくなるリスクを抱えている(詳細は本連載#1をご参照のこと)。「ちょっとでも怪しいことはやらない・言わない」スタンスを忘れないようにしたい。

そんなこと言われたら、もう何も言えないよー、と思われた方! ハラスメントの研修後に管理職が「あんなん言ってたら女の子としゃべられへんよなあ」とコメントしたことが、極めて不適切であり懲戒処分もやむなし、とされた事例があるのだ*4。7つ目のセクハラ事案と言っていいだろう。

ふてほどな感想を述べることもまた要注意――令和の御代はそんな時代になっているのである。

*4 最判平27.2.26 労判1109号5頁

(毎月1回連載、次回4月24日頃配信)