2024年は「既存の価値観」を転換すべき年である【ガバナンス時評#13】

企業が「昭和」の体質を脱却するために

一方で、企業を縛る規則やルールは詳細になり飽和状態にあるのも事実だ。いくらルールばかりギチギチに詰めても、企業や組織を運営していく経営者・経営陣に遵守する気がなければ、何の意味もなさない。

企業経営者に求められるのは、倫理的、公共的、社会的にあるべき企業行動とはどのようなものであるのか、自分の頭で主体的に考える姿勢だろう。

日本は「温故知新」を重んじつつ、前例踏襲を良しとし、年功序列で“年の甲”を重視する傾向が根強い。事実、大企業であればあるほど、経営層は一定年齢以上の層によって占められている。しかし、そうしたシニアの“おっさん”あるいは“おばさん”たちの発想や、社内がその発想を忖度した結果、失敗を招き、企業価値を棄損させている企業は山ほどある。これからの企業経営者は、かなりのスピードで変化していく世の中の価値観や倫理観に、自分の頭を合わせていかなければならない。

時代の流れを敏感に察知し、自らを適応させることが出来ず、旧態依然とした経営・運営を続けてきたことで社会から糾弾されることとなった旧ジャニーズ事務所や日本大学、そして秋以降、問題が顕在化した宝塚歌劇団の問題などは、まさに他山の石とすべき事例なのだ。

企業は“生き物”である。そうである以上、風邪も引けばケガもする。その反面、生き物である企業の、生きた失敗事例は世の中にあふれている。それに学ばない手はない。そうすれば、悪い意味での「昭和」の体質を引きずった価値観を、今すぐ捨てなければならないことも分かるはずだ。

企業も経営者も、価値観の転換、パラダイムシフトの時期に来ているのである。

取材・構成=梶原麻衣子