フィンセント・ファン・ゴッホの《星月夜》と最高裁判例【遠藤元一弁護士の「ガバナンス&ロー」#9】
再びゴッホ《星月夜》の「巨大な渦巻」の正体について
話を《星月夜》の「巨大な渦巻」に戻そう。
天文学者の谷口氏が先に示した8つの説明のうち、渦巻銀河М51説が自分にとってもっとも得心がいく説明だと感じる。ただ、「巨大な渦巻」はМ51を模したものであるというこの説で残る疑問は、なぜ実際に見えるМ51とは渦の巻き方が逆に描かれているかという点だ。
しかしゴッホは、地球から見える渦巻銀河М51ではなく、太陽系にある地球からМ51を越えて、さらにその先の銀河の方角から俯瞰してそれをキャンバスに投影しようと考えて、М51をこのように反対に渦を巻いて描いたのではないか――。
晴天が続く2025年新年の夜空に北斗七星をはじめ輝く星々を眺めながら、ふっとそんな突拍子もない考えが頭に浮かんだ。
(隔週木曜日連載、#10は1月23日公開予定)
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