ビッグモーター兼重宏行前社長「自損の謝罪会見」は本当に必要だったのか

2017年にも報じられていたビッグモーター不祥事

すでに2017年にも『産経新聞』(2017年2月26日付)で、以下のように会社が関与したと見られる不祥事を報じられていることだ。

「同社(ビッグモーター)では全国約80の販売店で、前月の保険販売実績に応じて目標を達成できなかった店の店長個人から10万円を上限に現金を集め、達成した店の店長へ分配していた。産経新聞の取材に同社は昨年12月、『会社と関係なく店長間で慣習的に行われていた。一切強制していない』と説明した」

「しかし、昨年6月に全社員宛てに送られた兼重社長名での社内メールでは、『保険選手権大会に関して』とのタイトルで『罰金を払うということは、店長としての仕事をしてないということだ!』『罰金を払い続けて、店長として(中略)恥ずかしくないか!』などと記載されていた」

兼重氏が現場の不正をかつて知らなかったとしても、ガバナンス改革に乗り出す機会は過去にあったのである。ビッグモーターは、それを放置し、むしろ不正は増殖していったのだ。

さて、ワイドショーは「記者会見の出来が最悪だった」「社長が不正を知らないわけがない」として議論がそこで止まっているのだが、読者の自分たちの会社におけるコーポレートガバナンスへの教訓を得ようと考えるなら、もう一歩先へ進まねばなるまい。

ひとつは、不正が過去に報道された時点で、自分たちの正義が必ずしも世間では通用しないことを悟るべきだということだ。完璧な組織などなく、成長著しい会社は特に現場がブラックになってしまいがちである。「自分たちだけが正しいということはない」と認識しておけば、何か外部から“ヒント”が出てきたときにスムーズに対処することが出来るものだ。