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【2024年10月1日「適時開示ピックアップ」】A b a l a n c e、ウイルプラスHD、竹内製作所他

10月1日の東証株式市場は、前日の「石破ショック」の大幅安から落ち着きを取り戻した。円安に振れたこともあって買い戻しが入り、732円上昇して3万8651円で終わった。この日の適時開示は353件で、この中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどで注目される開示をピックアップし、周辺情報も交えてお送りする。

元執行役員はインサイダー「A b a l a n c e」が不適切会計の報告書提出

■太陽光パネル製造など、再生可能エネルギーを手掛ける東証スタンダードのA b a l a n c e(エーバランス)は、内部統制に開示すべき重要な不備があるとした内部統制報告書を関東財務局に提出したと発表した。

同社では、子会社で「有償取引」と呼ばれる不適切な決算があり、直近の過去2年分の売上高などを訂正していた。有償取引とは、製造途中の品を売った後に買い戻して最終製品として販売する際、売り上げを二重に計上することになり、2014年に発覚した東芝の不正会計でもこの手法が用いられた。A b a l a n c e側は、会計処理にかかる理解が十分ではなかった、などと説明している。また、今年5月には同社のIR(投資家向け広報)を担当する元執行役員が金融商品取引法違反(インサイダー)の疑いで東京地検特捜部に逮捕されるという事件も起きている。太陽光パネルに絡み、ベトナムで工場を新設する情報を得て、A b a l a n c e株を買った疑いが持たれている。果たして再生なるか。

【A b a l a n c e】財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS95513/c9331f4e/5861/4dbf/aee3/899780f03ceb/140120241001591770.pdf

ウイルプラスHD「株主総会継続会」異例の開催

■東証スタンダードで輸入車販売のウイルプラスホールディングスは株主総会の「継続会」の日程について、10月23日に実施すると発表した。同社はさる9月26日に定時株主総会を開いたが、事業報告や決算書の報告を延期していた。2024年6月期決算について、会計監査人から、配当の分配可能額を超えた自己株式の取得があるとの指摘を受け、決算や監査手続きを延期して継続会を改めて設置することにした。継続会は、新型コロナウイルスの感染拡大で決算のとりまとめが遅れた上場企業が2020年6月の総会などで用いたことで注目されたが、ウイルプラスHDのようなケースは異例。同社は、特別調査委員会を設置して分配可能額を超えた原因を解明する。ちなみに筆頭株主は創業社長の成瀬隆章氏で、資産保有会社分を合わせて47%以上の株式を保有している(今年6月末時点)。

【ウイルプラスホールディングス】第 17 回定時株主総会の継続会の開催日時等に関するお知らせ
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS01236/5e2cf206/d173/4afe/bf1a/c0a7cad859da/140120240930591327.pdf

平均年齢32歳で平均年収677万円!「北の達人コーポ」が大幅ベア

■化粧品ネット通販でプライム市場の北の達人コーポレーションは、給与の引き上げ(ベースアップ=ベア)を決めたと発表した。多様かつ優秀な人材確保が目的という。ベアは10.2%で、定期昇給を合わせると15.0%に及ぶ。対象者は総合職社員で10月から適用する。定期昇給等後の平均年間給与は677万円(平均年齢32歳)で、32歳の平均給料408万円(就職支援会社調べ)よりも大幅に上回っている。また、連合のまとめでは、2024年の春闘での平均賃上げ5.10%だった。

61歳社長が病気療養で65歳取締役が代行する「竹内製作所」

■東証プライムで、油圧ショベルなど建設機械製造の竹内製作所は、竹内敏也社長が病気治療で入院たため、当面の措置として、10月1日から小林修取締役が社長代行を務めると発表した。竹内社長は1963年1月生まれの61歳。父親で創業者、現在も代表取締役会長を務める竹内明雄氏(90歳)から2019年に社長を引き継いでいた。片や小林氏は2015年10月に入社し、内部監査室長や生産管理部長を経て、2023年1月から取締役経営管理部長を務めているが、御年65と竹内社長よりも年上。一刻も早い社長の復帰が望まれるが、サクセッションプラン(後継者育成計画)は企業の重要課題でもある。

【竹内製作所】社長業務の代行に関するお知らせ
https://www.takeuchi-mfg.co.jp/ir/upload_file/tdnrelease/6432_20241001592233_P01_.pdf

東日本大震災を機に設立「雨風太陽」が“地方婚活”ビジネスを開始

■東証グロース上場で、農産物を中心とした通販「ポケットマルシェ」を運営する雨風太陽(あめかぜたいよう)は、新たに地方の婚活支援事業に乗り出すと発表した。同社のミッションは「都市と地方をかきまぜる」で、Webメディアを通じて“地方婚”の魅力を発信し、農家や漁師ら地方在住者の婚姻数を増やすことが目的だという。なお、テレビ東京元アナウンサーの森香澄をアンバサダーに据えるプライム上場の結婚相談業、IBJと協力してマッチングの機会を提供する。

雨風太陽は、東日本大震災をきっかけに高橋博之氏が岩手・花巻で2015年に設立し、復興支援の食材付き情報誌『東北食べる通信』を発行して話題に。2023年12月、グロース上場を果たした。地方の再生を目指した新たな“婚活”事業は成功するか。

【雨風太陽】新たな事業の開始に関するお知らせ
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS05841/f00b7ad9/c2fe/439c/9a92/ce01e4cf5703/140120240930591649.pdf

(平日連載、2024年10月2日公表分に続く)

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