【2024年11月12日「適時開示ピックアップ」】ガーラ、ピクセルカンパニーズ、ディー・エル・イー、きょくとう、JDSC、ブックオフ、極東開発工業、新明和工業
11月12日の東京株式市場で3日ぶりに反落した。日経平均株価は前日比157円値下がって3万9376円で終わった。国内の政局に対する不安が影響したとの指摘が出ている。そんな12日の適時開示は、824件となった。この中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ、周辺情報も交えてお送りする。
「ガーラ」ソフトウェアの資産計上でミス
東証スタンダードでオンラインゲームのガーラ(東京・渋谷区)が2020年3月期から5年分の有価証券報告書を訂正した。外部から「ソフトウェアの資産計上で疑義がある」との情報が寄せられ、調査委員会を設けて調べ、誤りを認めた。今年9月に公表した調査報告書では「将来の収益獲得が確実か否かについて十分な検討が行われていなかった」などと指摘している。
【ガーラ】過年度有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度決算短信等の訂正に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112520008.pdf
有価証券報告書訂正で「ピクセルカンパニーズ」実態ない取引か
東証スタンダードでデータセンター事業を手掛けるピクセルカンパニーズ(東京・港区)は、2019年12月期から5年分の有価証券報告書を訂正した。同社では今年8月に不適切な会計処理の疑いが浮上。設置した特別調査委員会は12日、報告書をまとめてピクセル社に提出した。報告書の詳細は本日13日に開示する予定だが、再生可能エネルギー施設の土地などの取得で、計17件で16億円の取引実態がなかったと事実認定している。監査法人アリアも24年3月期などの監査意見について意見不表明の措置をとった。
【ピクセルカンパニーズ】第 39 期(2024 年 12 月期)半期報告書の提出及び過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の 提出並びに過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112520438.pdf
鷹の爪団の「ディー・エル・イー」が有価証券報告書訂正
東証スタンダード上場で映像コンテンツ事業を手がけるディー・エル・イー(東京・千代田区)は、2024年3月期の有価商報告書を訂正した。販売管理費などが過小に評価されていたとしている。内部統制報告書についても「有効ではない」と訂正した。同社はアニメーション「鷹の爪団」などで知られる。
【ディー・エル・イー】過年度の有価証券報告書等及び決算短信等の訂正に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112519980.pdf
「きょくとう」2度目の調査報告書を公表
東証スタンダードでクリーニングのきょくとう(福岡市)は社内調査委員会の報告書を公開した。同社では昨年、雇用調整助成金の不正需給が発覚して返還していた(本誌関連記事「不祥事発覚も「内部通報制度」が機能しなかった上場企業19社」)。一度、報告書をまとめたが、経営陣の指示があったかどうかについて再調査していた。今回の報告書の結論では「前社長又はA 専務が指示を行ったとは認められない」としている。
【きょくとう】社内調査委員会の調査報告署受領に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112520146.pdf
東大発AI企業「JDSC」でキックバックか
東証グロースで東大発のAI(人工知能)企業とされるJDSC(東京・文京区)は、元従業員による不適切な取引の疑いあると発表した。外注先に対して金額を水増しして発注し、キックバックを受け取っていたという。全容解明に向けて調査を続けているとしている。
【JDSC】当社連結子会社の元従業員による不正の疑いのある取引に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112519869.pdf
不祥事相次ぐ「ブックオフ」で経営者らに処分
本誌「GovernanceQ」既報の通り、東証プライムで、従業員による架空買い取りや架空の在庫など不祥事が発覚したブックオフグループホールディングス(HD)は、堀内康隆社長ら幹部の処分を発表した。堀内社長が2024年5月期、報酬の30%を減額した。他の担当取締役や執行役員も8~30%減らした。
【ブックオフグループHD】再発防止策の策定及び役職者の処分に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112519276.pdf
「極東開発工業」「新明和工業」トラックの荷台めぐりカルテルか
東証プライム上場でタンクローリーやゴミ収集車製造の極東開発工業(大阪市)は、公正取引委員会の立ち入り検査を受けたと発表した。トラックの荷台に付ける架装物の販売でカルテルを結んでいた疑いがあるという。同社でも調査中で、公取委の検査に協力していくという。同じく東証プライムの新明和工業(兵庫・宝塚市)も同様の開示をした。
NHKなどの報道では、これら2社を含む4社が特別な装備の車両について、ディーラーや自治体などに販売する際、製品の価格を不正に引き上げるカルテルを結び、独占禁止法に違反した疑いがあるとしている。
【極東開発工業】公正取引委員会による当社への立ち入り検査について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112519574.pdf
【新明和工業】公正取引委員会による立入検査について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241112519406.pdf
(平日連載、2024年11月13日公表分に続く)
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