内部監査の専門資格「CIA」の増加
実際、内部監査への需要は確実に増加している。(一社)日本内部監査協会によれば、2000年代初頭から、内部監査の国際的な専門資格であるCIA(公認内部監査人)の数は右肩上がりに増加している。とりわけ、象徴的な不祥事発生や、その後の法令等の制定(米サーベインズ・オクスリー法=SOX法、日本版企業改革法=J-SOX法)などを契機に、伸び率は顕著に上昇する傾向にあるという。2024年現在、CIAは累計1万2000人を超えている。
日本におけるCIAの累計合格者数

永遠のテーマ~それは内部監査の役割~
もっとも、内部監査の役割については、大きな企業不祥事が起きれば、法令順守志向へ、新たな社会課題の提起や国際競争力強化などが重視されれば、コンサルタントやアドバイザー志向へと、折々の社会情勢に応じて議論の揺り戻しも見られる。
また、コンプライアンス自体の概念も、法令・社内手続などの順守から内外の環境変化や新たな社会課題に対するリスクを対象とするものまでに拡張しつつある。このような視座に立つならば、価値創造・戦略に貢献する監査とはコンプラアンス監査そのものであるとも言えよう。
いわば、ポリスマンかアドバイザーかは、二者択一で語るべき筋合いのものではなく、内部監査にとって「永遠のテーマ」である。
内部監査は、法的な裏付けを持たず、その位置づけについては、企業の置かれた状況においても、論者によってさまざまな正解や解釈が成り立つ。重要なことは、最終的に、企業の価値向上・創造に貢献し得るか否かなのである。
《今回の道場訓》
「Slow progress is better than no progress. Stay positive and never say die!」(緩やかな進歩は停滞に勝る。前向きに語り、決して弱音を吐くな!)
と、日本内部監査協会の土屋一喜専務理事は語る。日本の内部監査の未来の発展に向け、この言葉をもって、今回の道場訓としたい。
(了、次回に続く)