【ガバナンス道場#3】“ポリスマン”か“アドバイザー”か、それが問題だ!?「価値創造・戦略に貢献する内部監査」の薦め

監査・士(サムライ)の矜持

報告書の提言内容は決して机上の空論ではなく、メンバー5名中2名の元金融庁・財務省高官の長年の実務に裏打ちした信念も込められている。座長の佐々木氏は、金融検査、証券取引審査、公認会計士監査行政などの要職を歴任したその道の第一人者であり、仲浩史氏は、世界銀行副総裁として、(国際機関である世銀は、企業改革法などのローカル法の適用を受けないことから)実際に内部監査をガバナンスの要として経営に役立ててきた経験を有している。

筆者も、起草メンバーの1人として参画したが、若手公認会計士の監査離れが加速、PAIB(企業内会計士)が監査法人所属の人数を上回り、多くの会計プロフェッショナルが監査プロフェッショナルとしての矜持を失いつつある中、両名の「監査」に対する情熱には、我々が鑑とすべき、本来の“士”(サムライ)の志を見る思いであった。

価値創造・戦略に貢献する内部監査への進化に向けて

平均的な日本企業における内部監査の現在地から見れば、報告書が掲げる「企業価値・戦略に貢献する内部監査」への道のりは遠く、「わが社ではとても無理(汗)」と脊髄反射的に拒否反応も示す向きも多いかもしれない。しかし、各企業におかれては、報告書の提言を将来のベスト or グッドプラクティスのべンチマークと位置づけ、達成に向けたマイルストーンを設定し、ステップバイステップで進化を遂げられることを期待したい。

~内部監査新時代の夜明け(dawn for new era)を願って~

 内部監査を嗤う者は内部監査に泣く

後を絶たない企業不祥事、その後組成された第三者委員会報告書において、内部監査機能の形骸化などが指摘されるケースも枚挙に暇がない。経営者は、内部監査の設計と・運用を自らの責務とし認識しなければならない。「内部監査を嗤う者は内部監査に泣く」と心得るべきである。

内部監査については今後、折に触れて発信していくこととしたいが、初回である本稿では、今日の内部監査に求められる役割について、私見を申し述べることする。