前営業日の5月16日金曜日の日経平均株価は、前日15日比1円安の3万7753円で取引を終えた。わずか1円ながら、3日の続落。そんな16日の適時開示は、2025年3月期決算企業の決算発表も落ち着き、333件だった。
本来なら「辞任勧告」「解任」が相当…
東証プライム上場で「NEWクレラップ」で一般家庭でもお馴染みの中堅化学メーカー、クレハが5月16日17時半、《取締役の異動(辞任)に関するお知らせ》と《取締役候補者の一部変更に関するお知らせ》の2本のリリースを発表した。内容は、取締役常務執行役員の突然の辞任だった……。
今回辞任したのは常務の田中宏幸氏(61歳)。その理由は〈女性社員に対する不適切な行為〉だったのだ。
16日のリリースによると、田中常務が不適切行為を女性社員に対して行ったとする内部通報があり、〈即座に対応を開始〉、監査役を中心に外部専門家が事実関係を調査した結果、通報内容が事実であるものと判断したという。
当の田中氏は辞任届を提出。その一方、任意の指名委員会は取締役については〈辞任勧告相当〉、執行役員については〈解任相当〉との結論に至ったが、最終的に田中氏の辞任届を受理。さらに、クレハは田中氏への賞与を不支給とし、株式報酬の一部も没収する。こちらは報酬委員会(任意)の審議を踏まえたものだとしている。
加えて、小林豊社長が月額報酬の20%を2カ月間、名武克泰副社長と西畑直光常務はともに月額報酬の10%を2カ月間、自主返上することも併せて発表。執行の3取締役が全員、報酬を返上した格好だ。