「クレド作成プロジェクト」も始動
今回のリリースで三菱製紙側はステークホルダーに謝罪する一方、特に、今回新たに発覚したクラフトプレスボードのデータ改竄については、使用される変圧器等の安全性への配慮からか、トラブルの発生は認識しておらず、〈基本性能である絶縁強度や製品寿命について当社にて検証を行い、変圧器等に組み込むにあたっての仕様としては問題ない旨、確認している〉としている。
このクラフトプレスボード事業については21年、王子ホールディングス(HD)傘下の王子エフテックスに事業譲渡されているが、それに先立つ19年には三菱製紙は王子HDの持分法適用関連会社となっている。
一方、再発防止策について三菱製紙は、すでに顧客との相談のうえ、製品仕様を適切な内容に見直すとともに、機能・品質に関係しない試験項目を除外していくなどの施策を進めているという。また、今年4月から、特別委の調査で独立性が疑問視されていた品質保証部門について、「技術監査部」を設置したという。
そして企業風土についても、〈(三菱製紙を)どのような会社にしていきたいか、そこで各人が何を実現したいかを全員参加で考え議論する「クレド作成プロジェクト」〉を開始(「クレド」とは企業・従業員の行動指針)。今年度の入社式でも、木坂社長自身が今回のデータ改竄問題に触れつつ、コミュニケーションの呼びかけを実施したとしている。
経営層の直接的関与が確認されることがなかった三菱製紙のデータ改竄問題。しかし、5月15日、同社の株価は昨日終値の770円から660円と大きく値を下げている(15日13時半現在)。
15:30【三菱製紙】特別調査委員会の調査報告書の受領及び役員報酬の自主返上に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250514549558.pdf