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【5月13日「適時開示」ピックアップ】東大発創薬ベンチャー、ぺプチドリーム「5500万円不正」で特別調査委設置ほか1664件のリリース

5月13日の日経平均株価は前日比539円高の3万8183円で取引を終えた。そんな13日は3月決算企業のリリースが相次ぎ、適時開示は1664件に上った。

特別調査委にはフジテレビ第三者委の竹内弁護士も

東証プライム上場で東大発のバイオ医薬品ベンチャーのペプチドリーム(川崎市)は5月13日、創薬開発事業において〈特定の者による一部不適切な試薬類の発注・持ち出し〉があった可能性を認識、同日、特別調査委員会を立ち上げたことを発表した。

リリースによると、今年4月に新たな発注システムの導入と体制変更に伴い、試薬類の発注や管理状況を確認したことで発覚したという。期間は2017年3月から今年1月までの8年間にわたるもので、現時点では累計で最大5500万円相当になるものと見込んでいる。ただ、不正を実行した疑いのある「特定の者」は、すでにペプチドリームに在籍していないという。

一方、今回設置された特別調査委員会は、委員長に同社の独立社外取締役で独製薬企業、ヘキスト・ジャパン(現・仏サノフィ)出身の神谷紀一郎氏が就任。委員にはともにプロアクト法律事務所で公認不正検査士(CFE)でもある竹内朗弁護士と岩渕恵理弁護士が就く。ちなみに、竹内弁護士は先般のフジテレビの第三者委員会で委員長を務め、岩渕弁護士も調査を担当した。

なお、ペプチドリームは06年に東京大学教授の菅裕明氏らが設立、特殊ペプチドを用いた創薬開発を行っている。今回の不正については現時点で〈2025年度第1四半期決算における本件の影響は軽微〉としているが、事実、24年12月期の同社の売上高は466億円、純利益は150億円だった。