東証スタンダード上場で空港インフラ事業のエージーピー(AGP)は5月9日、筆頭株主の日本航空(JAL)から提案された「株式併合等を通じた非公開化」について、現時点での見解および今後の対応方針を公表。「少なくとも現時点においては、同意していない」ことを改めて明確にした。
本誌でも既報の通り、4月25日付でJALは、今年6月開催のAGPの定時株主総会において、同社の株主をJALと第2位株主の日本空港ビルデング、そして第3位株主のANAホールディングス(HD)の3社に集約する株式併合を実施し、AGPを非公開化する内容の株式提案を発表していた。
これに対しAGP側も同日、JALから株主提案を受領したことを公表したのを皮切りに、同28日には《株主提案に関する当社の認識と対応方針のお知らせ》をリリース。JAL側が発表した株主提案の理由には〈事実に反する指摘や、重要な事実でありながら言及が欠けているものも少なくない〉とし、〈当社少数株主をはじめとする当社のステークホルダーの理解・判断を誤らせる危険がある〉(ともに4月28日付AGPリリース)と反論していた。
というのも、JAL側は今回の株主提案の理由として、AGPが少数株主に配慮するあまり、JALは同社と株主としての一般的な対話さえ行うことが困難になっており、AGPの非公開化によって「潜在的な利益相反構造を解消する」としているため。
30%超の筆頭株主からそう指摘されたAGP側は4月28日付のリリースに加え、今回のリリースでもJAL側に株主提案の整合性等について改めて問い質す格好になっているのだ。