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いよぎんHD「不祥事対応」など個人株主提案に反対【5月9日「適時開示」ピックアップ】

確かに、いよぎんHDは前記の通り、昨年6月28日付で《当社グループ職員の逮捕について》と題し、同社の100%子会社、四国アライアンス証券の職員が不正入手したキャッシュカードを使用して現金50万円を盗み、愛媛県警に逮捕されたとニュースリリースで公表。さらに7月17日には《当社グループ職員の再逮捕について》というリリースで、この職員が90代の女性から不正に入手したキャッシュカードで約400万円を引き出したとして再逮捕されたことを追加で開示している。

一方、東証の適時開示情報閲覧サービスは、東証に限らず日本の上場企業に関する〈投資判断上重要な情報〉が開示させるが、いよぎんHDの今回の株主提案への反対は適時開示されているものの、昨年のグループ会社職員の逮捕については開示されていない。

それはさて置き、この職員逮捕については後日談がある。というのも、昨年8月、松山地検西条支部はこの職員を不起訴処分としたことを地元紙「愛媛新聞」が報じているのだ。

例年「302個」の議決権を持つ個人株主から株主提案

いずれにせよ、今回開示された個人株主の提案は、いよぎんHD社長が務める株主総会の議長を会長・社長が毎年交代で務めるといったものや、財務・金融監督官庁等(原文ママ)からの天下りを取締役会は自粛するなど、その内容は多岐にわたっているが、いよぎんHD側はすべてに反対している。

また、昨年24年にも個人株主から複数の株主提案があり、会社側はすべてに反対。一昨年前の23年にも個人株主から〈①元常務の不祥事 ②(株)キッチンファクトリー事件 ③宇和特紙の起訴など、信用失墜に繋がる不祥事処理は「第三者委員会」での実態解明。定款新設を要望〉といった定款変更の提案などを受けたが、個別具体的な事項を規定する定款変更は〈適切ではない〉と、これまた、いずれにも反対している。

ちなみに、株主提案権は総株主の議決権1%以上、または300個以上の議決権を6カ月前から継続して保有する株主が行使できる。

今回、株主提案を行った株主について、いよぎんHD側はリリースで個人株主であるため氏名の開示は控えるとしているが、302個の保有議決権数(総議決権数の0.010%)を持っているといい、23年、24年に反対した提案も同じく302個の議決権数(当時、同0.009%)を持つ個人株主からの提案だった。

13:00【いよぎんHD】株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250507532776.pdf