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いよぎんHD「不祥事対応」など個人株主提案に反対【5月9日「適時開示」ピックアップ】

東証プライム上場で伊予銀行をなどを傘下に持つ金融持株会社、いよぎんホールディングス(HD、愛媛・松山市)は、4月に個人株主から受領した株主提案に関し、5月9日の取締役会で提案に「反対」することを決議したと発表した。

提案は7項目にわたり、いよぎん側のリリースには原則、原文のまま転載されている。そのうちのひとつに「情報開示」に関する提案があった。内容は《いよぎんホールディングスグループ内での行員による不祥事は、速やかに株主・利害関係者に対して公表する。》というもので、「定款一部変更」という体裁をとった提案だ。

提案理由を、この個人株主は〈2024年6月26日四国アライアンス証券(株)の職員が女性名義のキャッシュカードを不正に使用し、愛媛県警に逮捕された。公表された日時は2024年6月27日「いよぎんホールディングス第2回定時株主総会が松山市内で開催された1日後である〉(原文ママ)としたうえで、〈「不祥事は」速やかに発表。日和見的な発表は辞めるべきだ〉と指摘する。

いよぎんHDは他の6提案と同様、この提案にも反対。そのうえで下記のように応じている。

〈2024年6月26日に発生した当社グループ元職員の逮捕につきましては、第2期定時株主総会の前日に発覚しておりましたが、逮捕の事実のほか正確な情報を把握するには至らず、公表の内容について十分に精査する必要があったことから、結果的に公表が定時株主総会の後になったものであり、意図的に公表を遅らせたものではありません〉

加えて、定款変更という提案についても、〈定款は会社の組織や運営に関する基本事項を定めるものであり、個別具体的な事項について規定することは適切ではない〉との意見だ。