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【2024年12月25日「適時開示ピックアップ」】人・夢・技術グループ、井関農機、若築建設、麻生グループ、ユニチカ、売れるネット広告社

12月25日水曜日の東京株式市場は反発した。日経平均株価は小幅に反発し、終値は前日比93円高の3万9130円だった。欧米の投資家がクリスマス休暇に入り、大きな値動きにはならなかった。そんなクリスマスの適時開示は220件。この中からコーポレートガバナンスやコンプライアンス、リスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ、周辺情報も交えてお送りする。

「人・夢・技術グループ」不正会計発覚で”内部統制は有効でない”

東証プライム上場で建設コンサルタントの人・夢・技術グループは、2024年9月期の内部統制報告書について、開示すべき重要な不備があり、内部統制は有効でないと記載したと発表した。同社では今夏、外注費の付け替えなどの不正会計が発覚していた。

本誌既報の通り、12月16日に経営陣の処分と再発防止策を発表。今回の「開示すべき重要な不備」の理由として、①経営者からのトップメッセージとして「いかなる コンプライアンス違反も許容しない」という情報発信に不足があった、②全社的な会計ルールに対する認識の欠如、不十分な理解及びそのような認識・理解を是正促進するための教育・研修の継続的な実施が不足していた――などを挙げている。

コーポレートガバナンスを健全に機能させるうえでも、「不正を許さない」という不退転の決意を経営トップが発信するすることが求められる。

【人・夢・技術グループ】財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241224543710.pdf

「井関農機」希望退職の募集人数”下回る結果”に

東証プライムの井関農機(愛媛・松山市)は、45歳以上を対象にした希望退職募集の結果を発表した。

募集人数は80人程度だったが、応募したのは4分の1を下回る19人。当初の予想に反した結果だったものの、「退職者の不補充等により、概ね当初想定していた水準を確保できる見通し」との理由で追加募集はしないという。

追加募集をしないのはともかく、当初80人を募集していた合理性が不明と言える。ただ、井関農機ばかりでなく、上場企業を中心に希望退職を募る会社が増えているが、その成果は必ずしも順調ではなさそうだ。

【井関農機】希望退職者募集の結果及び特別損失の計上に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241225544269.pdf

「若築建設」が麻生元総理の実家「麻生」の決算を公表 

東証プライム上場の若築建設(東京・目黒区)は、非上場で親会社の麻生(福岡・飯塚市)の中間決算を発表した。

麻生は、麻生太郎自民党最高顧問の実家でもある麻生グループの中核企業。非上場であまり表には出てこないが、2025年3月期中間決算では、売上高が215億6000万円で当期純利益は30億円だった。

なお、若槻建設のリリースによると、麻生の筆頭株主は学校法人麻生塾の30.25%、2位が麻生太郎氏の実弟で九州経済連合会長を務める麻生泰氏の5.36%、3位に麻生太郎氏の4.98%と続く。

麻生グループは22年に150周年を迎え、当時、地元の福岡では地下鉄にポスターが大々的に貼られるなど、お祝いムード一色に。現在の事業はセメントのほか、病院や介護など多岐にわたっている。

【若築建設】非上場の親会社等の中間決算に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241224543261.pdf

経営再建「ユニチカ」2月に株主総会開催と取締役入れ替えを発表

本誌でも報じたが、東証プライムで繊維メーカー大手のユニチカは、2025年2月7日に大阪市で株主総会を開くことを発表した。ここで官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)による350億円の金融支援を正式に決める。

役員人事(異動予定日は25年4月30日頃)も発表し、ユニチカ出身の取締役の大半が退任し、REVICの幹部らが新たに取締役に就く。上埜修司社長も退任するが、後任は決まっていない。

ユニチカは明治22(1889)年の創業で、繊維で一時代を築いたが、海外勢に押され、業績不振が続いていた。有利子負債921億円(24年3月期)が、売上高の1183億円(同)に比べて重く、財務基盤の強化に向けてREVICの支援を受けることになった。

創業から続く繊維事業は構造改革の対象事業と位置づけられ、撤退する。

【ユニチカ】臨時株主総会開催日及び付議議案、普通株主による種類株主総会開催日 及び付議議案の決定、並びに代表取締役の異動(退任)及び役員人事に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241225544306.pdf

「売れるネット広告社」アスリートの雇用促進会社を設立

東証グロース上場の売れるネット広告社(福岡市)は、現役アスリートの企業への雇用促進・セカンドキャリア支援を行う新会社を設立すると発表した。

新会社は「プレイヤーズナビ」(東京・港区)としている。設立の理由として、アスリートの世界で一定の成果を出すことのできる人材は、ビジネスの世界でもポテンシャルを持っていると考えられる。一方で、引退後のキャリアは選択肢が狭く、新しい業界での採用されにくい現状があると指摘する。

社長には、女子プロサッカーのWEリーグ「INAC神戸」で社長を務めた安本卓史氏が就任。2025年3月に事業を開始する予定だ。

【売れるネット広告社】WEリーグINAC神戸・前社長 安本卓史を代表取締役社長CEOとする子会社(株式会社プレイヤーズナビ)設立及び新たな事業の開始に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241225544085.pdf

(平日連載、2024年12月26日公表分に続く)

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