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【2024年10月18日「適時開示ピックアップ」】日本テレビ、プロト、兵機海運、SAAF 他

10月18日金曜日の東京株式市場は小幅に反発した。日経平均株価の終値は前日比で70円高い3万8981円だった。午前は堅調だったが、午後に売り優勢となって揉み合った。そんな18日の適時開示は172件で、この中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ、周辺情報も交えてお送りする。

九州不動産「大英産業」が金利上昇リスクで目標数値を下方修正

福岡証券取引所に上場し、マンション・住宅の建設や中古物件の売買などを手掛ける大英産業(本社=北九州市)は、業績の目標数値を下方修正した。2025年9月期の売上高の計画を400億円としていたが、392億円と8億円減額した。資材などの価格高騰や金利上昇リスクで、分譲マンマンションと分譲住宅の受注件数が下振れしていることや、中古物件でも価格が高騰して、購入を希望する人たちが思う価格と乖離が顕在化していることを理由に挙げている。

【大英産業】中期経営計画における業績目標の下方修正に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018599859.pdf

システム開発「テクミラHD」取締役が子会社経営専念で辞任

東証スタンダード上場でシステム開発のテクミラホールディングス(HD)は、取締役の藤岡淳一氏が10 月31日付で辞任すると発表した。1976年生まれで同社序列2位の藤岡氏だが、連結子会社でIoT(モノのインターネット、モノとネットをつなぐ技術)事業を営むJENESIS(旧ジェネシスホールディングス)の社長も務めており、こちらの経営に専念するという。テクミラは、子会社で新規上場を積極的に行い、グループとしての資金調達の多元化とグループ企業価値の向上を図っていくことを方針として掲げているという。

【テクミラホールディングス】取締役の辞任に関するお知らせhttps://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018500004.pdf

「日本スキー場開発」流通株数が増えて上場基準をクリア

東証グロース上場で白馬や八方尾根(長野県)でスキー場を運営する日本スキー場開発(NSD)は、上場維持基準に適合したと発表した。昨年7月末時点で流通株の比率が22.9%と基準の25%に達しなかったが、今年7月末時点で26.7%になったという。大株主らに所有株の縮減を進めてもらったという。なお、同社は東証プライム上場の日本駐車場開発の子会社として05年に設立され、15年に旧東証マザーズに上場していた。日本駐車場は24年月末時点で69.11%の所有割合だった。親会社・子会社ガバナンスを考えさせられるケースと言える。

【日本スキー場開発】上場維持基準への適合に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241017599526.pdf

「サカイHD」代表取締役の報酬個別開示等を求める株主提案

東証スタンダード上場で太陽光発電事業などを営むサカイホールディングス(HD)は、株主提案を受けたと発表した。提案したのは、株式会社サカイで、サカイHDの2.41%の株を持つ上位株主。代表権を持つ取締役の個別の報酬を開示することや、代表取締役が他の会社の取締役を兼任することの禁止など5項目。12月の株主総会で審議される見通しだ。

【サカイホールディングス】株主提案に関する書面受領のお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018500050.pdf

子会社架空売り上げで課徴金「SAAFHD」が改善状況を報告

東証グロース上場でITコンサルタントのS A A Fホールディングス(HD)は、2023年10月に東証に提出した「改善報告書」の運用状況を公表した。子会社の監査役監査について、取締役会議事録や決算書などの重要書類を定期的に閲覧するなどについて、確実に実施していることを強調している。

同社は昨年、子会社で架空の売り上げを計上するなど不適切な会計処理が発覚。今年3月に金融庁から課徴金1億929万円の納付命令が出され、支払っていた。今年9月には、社名をITbookホールディングスからSAAFHDに社名変更していた。

【SAAFHD】「改善状況報告書」提出後の改善措置の実施および運用状況に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018599884.pdf

中古車サイト「グーネット」運営会社で18億円の架空取引発覚

東証プライム上場で、中古車の情報サイト「グーネット」を運営するプロトコーポレーションは、社員の不適切な取引があったとして、特別調査委員会の設置を決めた。

今年5月に売掛金の未回収が発生し、社内調査で1人の社員が2016年頃から架空取引を続けてきた疑いが強まったという。金額は18億円ほどに膨らむと見られるが、当該社員が一時連絡不通となり、事態を把握するのに時間がかかったとしている。

調査委員会の委員長はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の三宅英貴弁護士で、公認会計士の那須美帆子氏(PwCリスクアドバイザリー)と弁護士の大西良平氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)の2人が委員を務める。また、25年3月期の中間決算の発表を11月5日に予定していたが、延期することも決めた。

同社はお笑いコンビの博多華丸・大吉、タレントの高橋ひかるをイメージキャラクターに登用し、積極的にテレビCMを展開していることでも知られる。

【プロトコーポレーション】特別調査委員会設置及び 2025 年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241015597711.pdf

自動車部品「ヨロズ」がランサムウェア攻撃を被弾

東証プライム上場でサスペンションを主力とした自動車部品メーカーのヨロズは、不正プログラムのランサムウェアの被害を受けたと発表した。10月14日朝、同社のサーバーの保存しているファイルが暗号化され、アクセスできない状態という。被害状況などを調べている。

【ヨロズ】ランサムウェア被害の発生について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018599855.pdf

未上場の堂島汽船が「兵機海運」に対して“同意なきTOB”

東証スタンダード上場で海上輸送の兵機海運(神戸市)は、未上場の堂島汽船(大阪市)による公開買い付け(TOB)が公表されたことを明らかにした。堂島汽船は今回の買収を「早期の資本業務提携に向けた発言力の強化を目的」と説明し、1株3250円で兵機海運の株式の2割近く買い進める計画だ。兵機海運は後日、このTOBに関する意見を出す。堂島汽船の親会社は、外航海運事業を展開する富洋海運(大阪市、未上場)。なお、今回のTOBは「同意なき買収」で、いわゆる敵対的買収とされる。海運業界の再編と併せて、コーポレートガバナンスの視点からも注目が集まる。

【兵機海運】堂島汽船株式会社による当社株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018599153.pdf

「日本テレビ」が薄氷で“外国人株基準”をクリア

東証プライムの日本テレビホールディングス(HD)は、「外国人等株主」の割合を公表した。放送法では、外国人等の割合が20%以下を求められているが、9月30日現在で19.9%とわずかに基準を下回る状況だった。放送法で外国人等株主の持ち分が15%以上となった場合、6カ月ごとの公表が義務付けられている。なお、日テレHDは今年6月の定時株主総会で、株主名簿への記載を拒否した外国人株主も配当を受け取れるようにする定款変更を実施していた。

【日本テレビホールディングス】外国人等の議決権割合に関する公告実施のお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241018599898.pdf

(平日連載、2024年10月21日公表分に続く)

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