【米国「フロードスター」列伝#10最終回前編】「高校生起業家」不正のピカレスク《前編》:自作自演で最年少上場を果たした「ウォール街の寵児」

カーペットクリーニング会社の設立と若き起業家の自己宣伝

ミンコウは、その資金を元手に機材をそろえ、自宅のガレージでカーペットクリーニング会社「ZZZZベスト」を立ち上げた。そして当時わずか16歳の彼は、若き起業家として自身を前面に押し出したマーケティングを展開する。

テレビコマーシャルに自らが登場することはもちろん、口コミの操作まで行ったのだ。例えば、本人が顧客のふりをして地元のテレビ局に電話し、いかに青年社長のミンコウが素晴らしい人物かを褒め称えた。そんな自作自演が功を奏し、興味を持ったテレビ局のインタビューを皮切りに、この高校生起業家はどんどんマスコミに取り上げられるようになった。

84年当時、高校3年生になったミンコウは3店舗80人の従業員を抱えるまでに事業を拡大させていった。その年の収益は130万ドル、利益率は約20%! さらにそれから87年の3年間で、純利益は500万ドル以上に急増し、売上高は5000万ドルにも達した。

ミンコウはこれまでの暮らしとは打って変わって豪奢な生活を送るようになり、70万ドルの豪邸を購入。特注のペットの犬小屋にも2000ドルを注ぎ込んだ。BMWやフェラーリなどの高級車を乗り回し、ガールフレンドにはポルシェをプレゼントした。

特に「ZZZZBEST」のナンバープレートを付けた真っ赤な「フェラーリ・テスタロッサ」は、ミンコウの成功の象徴としてメディアでもお馴染みのアイコンとなる。「最年少の成功者」という肩書を手に入れた彼は、ビジネススクールで講義するようになり、ロサンゼルス市では「ミンコウの日」を制定したほどであった。