「骨太の方針2024」に盛り込まれた公益通報者保護法の再改正
では、わが国ではどうだろうか。
24年6月21日、経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」(骨太の方針2024)の《第2章6 幸せを実感できる包摂社会の実現 (2)安全・安心で心豊かな国民生活の実現》における消費者基本計画に「公益通報者保護法の改正」が入った(骨太の方針2024・30頁)。これをもとに政府は公益通報者保護法をどのような制度として捉えているのか、鳥の目から考えてみよう。
その含意することは、消費者が安心して情報を提供できる環境を整え、企業や行政の不正行為を早期に発見・改善し、(働きがいのある雇用が確保されることを含む)安全・安心な社会を実現し、国民生活の質を向上させ、経済システムの透明性・公正性の担保に資する重要なインフラであると考えていることが想像できる。これは、公益通報を社会正義に基づいた公正な経済社会の形成に寄与する重要な意義があるとするグローバルな認識と通底した考えだろう。
公益通報者保護法が目指す目的が、鳥の目から見て上のように考えられるならば、その目的を達成する制度設計を虫の目で観察すると、公正な経済社会の形成に寄与するように、誰もが安心して、通報・相談できる仕組みとして制度設計を構築することが必要になるだろう。
そのためには、不利益処分に当たりそうなものは網羅的に捉えることができ、また不利益処分をした企業側にはエンフォースメント(法執行)を適時的確に課すという規定が盛り込まれることが不可欠になると考える。
骨太の方針2024は法改正を24年度中に行うとし、消費者庁も本年12月中に一定の法改正案を示す予定とされている。それまでの時間は限られている。検討委員会には、時間軸を意識しながら(魚の目の視点で)、粘り強く奮闘していただくことを期待したい。
(隔週連載、#6は11月28日公開予定)