損保ジャパン「金融庁処分」の深層――なぜ危機管理は失敗したのか?
中古車販売大手のビッグモーターによる保険金不正請求問題をめぐって、金融庁は2024年1月25日、損害保険ジャパンおよび親会社のSOMPOホールディングス(HD)に業務改善命令を出した。これを受け、グループトップのSOMPOHD会長兼グループCEO(最高経営責任者)の櫻田謙悟氏は3月末に退任することを発表。事実上の引責辞任と言える。結果的に“最高実力者”のクビが飛んだ今回の不祥事。損保ジャパンでリスク管理担当役員を務めた同社OBで、現在は日本経営倫理学会常任理事の井上泉氏(ジャパンリスクソリューション社長)が、23年11月の前回シリーズに引き続き、ガバナンスの観点から問題を総括する。なぜ、損保ジャパンでクライシスマネージメント(危機管理)は機能しなかったのか――。
【前回シリーズ】「ビッグモーター×損保会社」問題の核心(全6回)