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大谷翔平を嵌めた「水原一平」はアメリカでどんな施設に収監される?【海外法務リスク#4】

水原氏居住区域の最寄りはロングビーチ人工島の施設

カリフォルニア中部地区連邦検察が4月11日、水原氏を訴追請求した際に出したプレスリリースによると、当時の水原氏の住所はカリフォルニア州オレンジ郡ニューポートビーチとなっている。ロサンゼルスから南へ約80キロのリゾート地だ。

水原氏は翌4月12日、カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に出廷し、同地裁の管轄区である同州「中部地区」から出ないことなどを条件に保釈された。その後、ニューポートビーチの高級マンションを退去したが、保釈条件に基づき、現在も中部地区内に居住しているもようだ。

まったくの推測だが、水原氏が収監された後、家族が数年にわたって面会に訪れることを前提に考えると、勝手知った土地に施設があれば、そこが第一希望となるのではないか。

水原氏は北海道生まれだが、料理人の父親がロサンゼルスで職を得たのを機に6歳で渡米。両親が居を構えた、カリフォルニア州オレンジ郡アナハイム北郊のダイヤモンドバーで幼少期を過ごし、地元のダイヤモンドバー高校を卒業した。

2012年、メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに通訳として採用された。13年、プロ野球・北海道日本ハムファイターズに移り、入団したばかりの大谷選手と出会う。18年、大谷選手がアナハイムを本拠地とするエンゼルスに移籍したのに伴い、再びカリフォルニア州に戻った。昨年末に同州ロサンゼルス郡ロサンゼルスを本拠地とするドジャースに移った後も、3月に解雇されるまでは、大谷選手と行動をともにしていた。

現在、ニューポートビーチの旧宅は出ているが、カリフォルニア州中部地区内に居住していると仮定すると、最寄りの連邦矯正施設は、ニューポートビーチとロサンゼルスのほぼ中間点にある「ターミナルアイランド連邦矯正施設」(BOP下記サイト参照)になる。

【米連邦矯正局(BOP)】FCI Terminal Island
https://www.bop.gov/locations/institutions/trm/

ロサンゼルス周辺の水原一平氏関連の場所

①ニューポートビーチ、②ダイヤモンドバー高校、③カリフォルニア中部地区連邦地裁 ④エンゼルスタジアム、⑤ドジャースタジアム、⑥ターミナルアイランド連邦矯正施設、⑦ロンポック連邦複合矯正施設(Googleマップより)

ターミナルアイランド連邦矯正施設もロンポックと同様、低レベル警備の施設だ。名称の通り、ロングビーチ港内の人工島、ターミナルアイランドに設置されている。ちなみに、島には第2次世界大戦前には日系人約3000人が暮らし、主に漁業を営んでいた(日米開戦後、住民は強制収容所に送られた)。

水原氏には妻がおり、両親の自宅もロサンゼルス郡ダイヤモンドバーにある。水原氏が収監された後、面会に訪れることを考えれば、施設の安全面からもアクセス面からも、ターミナルアイランドが最適かもしれない。

連邦矯正局(BOP)は受刑者の収監先として、「主たる居住地のできるだけ近く」で、かつ「居住地から500走行マイル(約800キロ)以内」の施設を指定するとしている。受刑者側も希望は出せるが、空き状況などを勘案して最終的に決定するのはBOPだ。

“連邦犯罪被告人”水原氏を収監する「連邦矯正施設」 …
刑務所での1日 米国には「大量投獄」という言葉…
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