検索
主なテーマ一覧

アクティビスト「丸木強」が自己採点“6月総会の我が戦績”#1【株主総会2023】

――3月期決算の上場企業の定時株主総会が2023年6月末、各地で一斉に開催されました。新型コロナウイルスの世界的流行から3年、行動制限がなくなり、感染法上の位置づけが「5類」に移ってから初の開催です。多くの企業で対面のやりとりが復活し、経営陣と株主が議論を交わしました。

丸木強我々は今年もアクティビスト(物言う株主)として5社ほど株主提案を行いました。建設機械レンタルのワキタ、総合建材の文化シヤッター、自動車シート大手のタチエス、日本証券金融(日証金)、特装車メーカーの極東開発工業です。

結果は同じ提案でも昨年より賛成比率が増えた議案もありますし、逆に減った議案もあり、会社によって差が出ました。

特に今年2023年は東京証券取引所が3月末に全上場会社に対して「株価を意識する経営」、具体的にはPBR(株価純資産倍率)が1倍割れの企業に改善を要請したこともあり、全体的に少しずつ株主提案に対する機関投資家の賛成票も増えてくるだろうと期待をしていましたが、結果は思ったほどではありませんでした。少しだけ賛成票は増えてはいる議案もありますが、トータルで見ると、あまり変わっていない。今年の株主総会を俯瞰すると、機関投資家の賛成票は思ったより増えなかったかもしれませんが、我々からすると、「まあまあ」の結果だったと思っています。

我々は大体20~30%の賛成票を得られれば「まあまあ」、10%台ですと「賛成票が少ない」という感じで見ています。30%以上の賛成票を得たことは過去何回かありまして、たとえば昨年ですと、世紀東急工業では「相談役の廃止」に35%、「相談役の報酬開示」に39%の賛同を得られました。通常、我々は高々5~10%の株式を所有する株主に過ぎませんから、その立場での提案議案に対して30%の賛成票を得られれば日本の現状では“まずまずの結果”という認識です。

「個人株主」が総会で声を上げる時代に …
1 2 3

ランキング記事

【PR】内部通報サービス無料オンデマンドセミナー

ピックアップ

  1. 【オリエンタルランド秘史#6】高橋政知「高額接待」伝票を処理した加賀見俊夫…

    狙われたニッポン放送との共通点 (#5から続く)オリエンタルランドと筆頭株主・京成電鉄の間で生じている「資本の捻じれ」がアクティビスト(物言…

  2. 第10回【磯山友幸×八田進二#2】トップ万能主義が「ガバナンス」を蝕む…

    経済ジャーナリストの磯山友幸氏と八田進二・青山学院大学名誉教授による対談の後編のテーマは、日本企業のガバナンス強化の実効性と学校法人のガバナ…

  3. 【スタートアップ「ガバナンスの乱」】頓珍漢なベンチャーキャピタリスト#3…

    (#2から続く)創業社長は、株主総会の時期が近くなるにつれ、取締役会における数的優位を確保するための布陣を着実に構築していった。本来、各取締…

  4. 【ビッグモーター×損保の核心#6】損保ジャパン「120億円」で躓いたガバナンス…

    損保ジャパンの「車両紹介」再開 (#5から続く)ところが、これまでビッグモーターの局部的にとどまらない不正を認識していたはずの損害保険ジャパ…

  5. 【女性社外取締役】日本総研・翁理事長《後編》「昭和のおじさん文化」との決別…

    不祥事発生、そのとき、社外取締役は…… (前編から続く)――弁護士、公認会計士といった「士業」の女性たちにもオファーが集中しているようです。…

  6. 第9回【冨山和彦×八田進二#3】”お飾り社外取締役”を選ぶ日本企業の「ガバナンス粉飾」…

    JAL再生「利権構造」を会社更生法で一掃 八田進二 (第9回#2から続く)冨山さんはJAL(日本航空)の再建にも関与されましたね。私は会社更…

あなたにおすすめ

【PR】内部通報サービスDQヘルプライン
【PR】日本公認不正調査士協会 ACFE
【PR】DQ反社チェックサービス