フジテック#2 社外取の責任問うた「臨時総会」と「内山解任」オアシスの“狡猾”【株主総会2023】

切り崩されるフジテック

利害に塗れる社外取締役が、創業家・内山高一の“敵前逃亡”と“非取締役”会長の就任を許したように、地に堕ちたコーポレートガバナンスの根本原因だとするオアシスの主張は、特に海外のメディアや投資家たちに受け入れられたことだろう。オアシスが“内山おろし”を主張した2022年6月の株主総会に続き、米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、フジテックの社外取締役6人全員の解任に賛成推奨を出した。

ここに至って危機感を募らせたフジテックは、前株主総会での内山社長の取締役候補議案の取り下げと会長就任について説明を始める。

敵前逃亡については、関連当事者取引の疑惑について、「第三者委員会の調査結果が出るまでは経営に関与するべきでないといったステークホルダーの皆様のご意見を受けて判断」したとし、また、会長就任についても、長期プロジェクトや経営の最前線を支えてきた内山が突然いなくなることへの影響を「最小限にする」ことに加えて、「取引先や従業員の不安は極めて大きく、当社事業へも大きな影響があると考えられたため」と説明した。

しかし、会社提案の新社外取締役2人の候補についても、創業家の内山高一とその長男が説得に走り回っていたことを筆者は知っている。気持ちは理解できても、取締役でもない人物が都合の良い会社提案の候補を探しまわる様は、オアシスの言う創業家支配の疑念を深めるものだ。

ここで、フジテックの社外取締役の1人が戦線から離脱する。2023年2月21日、元大和総研専務理事の引頭麻実が、社外取締役の辞任を申し出た。 引頭は「ガバナンスに関する考え方がフジテックと大きく異なる」と理由を説明したという。臨時株主総会の3日前のことだった。

2月24日に開かれた株主総会では、社外取締役3人が解任された。会社提案の2名の社外取締役候補はいずれも否決。オアシスが提案した6人は、うち4人が選任された。すべての候補者の賛成比率は45.11〜58.74%にとどまっていた。株主を二分した臨時株主総会でオアシスは大戦果を挙げた。

一方のフジテックは、全9人となった取締役会で辛うじて5人の多数派を維持した。以後、決戦の舞台は取締役会へと移される。

内山高一が、会長を解任されフジテックを追放されるのは、この日から35日後のことだった。

(文中敬称略・以下#3に続く

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