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ピクセルカンパニーズ「再発防止策の開示延期」ほか394件【4月28日「適時開示」ピックアップ】

4月28日月曜日の日経平均株価は前週末比134円高の3万5839円で4日続伸だった。そんな28日の適時開示は394件。

特別注意銘柄「ピクセルカンパニーズ」再発防止策開示を5月末に延期

本連載“常連企業”の東証スタンダード上場で、今年1月29日に特別注意銘柄に指定されたピクセルカンパニーズ4月25日に続き28日も適時開示が公表された。

4月28日の適時開示は、本来同日に開示予定だった「改善計画・状況報告書」を5月末日に延期するというもの。1月29日に特別注意銘柄に指定されたのも、この改善計画・状況報告が関係している。

遡ること2年前。2023年10月24日に同社は証券取引等監視委員会の検査課から金融商品取引法に基づく開示検査を受け、24年6月16日に監視委から第三者委員会による調査要請があり、7月5日に特別調査委員会を設置した。

特別調査委は、善国寺坂法律事務所の大下良仁弁護士を委員長に、能勢元・公認会計士、とOMM法律事務所の榎木智浩弁護士の3人で構成された。

ピクセルカンパニーズの24年8月13日のリリースによると、監視委からの指摘は以下の3点だった。

①子会社、ピクセルエステート(24年6月1日付で売却済み)の取引先への前渡金(3億5000万円)がピクセルカンパニーズ代表取締役個人の借入金に対する返済ではないかとの疑義

②ピクセルエステートにおいて19年12月期から23年12月期までの間に計上された再生可能エネルギー施設等の開発に関わる土地や権利等の取得に関する前渡金等の取引(計18件総額16億4900万円)について、取引実態があるかとの疑義

③ピクセルカンパニーズが取締役会の承認を得ずに、当社代表取締役の個人借入(3億5000万円)について連帯保証を行ったのではないかとの疑義(取引先会社から提出された金銭消費貸借契約書のコピーしか情報がなく、当社としては取締役会の承認は行っておらず、事実関係が不明)

同年11月12日には特別調査委の報告書受領を受けて、ピクセルカンパニーズは、

①ピクセルエステートの取引先への前渡金が代表取締役個人の借入金に対する返済ではないかとの疑義に関しては、当社代表取締役個人の借入金に対する返済と認定。

② ピクセルエステートにおいて19年12月期から23年12月期までの間に計上された再生可能エネルギー施設等の開発に関わる土地や権利等の取得に関する前渡金等の取引について、取引実態があるかとの疑義に関しては、計17件総額16億3900万円が取引実態がないと認定。

③ 当社が取締役会の承認を得ずに、当社代表取締役の個人借入について連帯保証を行ったのではないかとの疑義については、取締役会の承認を得ず連帯保証を行ったと認定。

と公表した。この調査結果をもとにピクセルカンパニーズは12月26日「再発防止策の策定に関するお知らせ」というリリースを出しているが、東証は今年1月28日に「特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求について」を発表、翌日1月29日から同社を特別注意銘柄に指定している。

その理由を東証は〈適時開示の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため(有価証券上場規程第503条第1項第3号)〉としている。

東証の通知を受けて、ピクセルカンパニーズ側は2月28日の「改善計画の策定方針に関するお知らせ」で4月28日に改善計画の策定を公表するとしていたが、冒頭にあるように「開示延期」となった。

その理由を〈(1)不適切な会計処理等の発生原因に関する分析に想定以上の時間を要していること、(2)内部統制の改善に向けた再発防止策等の策定に向けた検討作業が、当社が想定したよりも実際の検討作業が大幅に多かったこと〉と記載している。

特別注意銘柄に指定されると、原則として、指定から1年経過後の審査までに内部管理体制等を適切に整備・運用することが求められ、「内部管理体制確認書」を提出することが義務付けられている。

そのうえで、内部管理体制等が適切に整備・運用されていると認められる場合は指定が解除される一方、体制等が適切に整備されているものの、適切な運用が認められない場合は「指定継続」となる。

そして、内部管理体制等が適切に整備されていると認められない、または適切に運用される見込みがなくなったと認める場合については「上場廃止」になると定められている。