暗号資産クシム「仮代表取締役」選任で会長・社長と対立取締役ら退任【4月2日「適時開示」ピックアップ】

東証スタンダードで暗号資産交換所「Zaif」を傘下に持つクシムは4月2日、1日付で東京地裁が仮代表取締役などの選任を決定したことを発表した。本決定をもって代表権を持つ中川博貴会長、伊藤大介社長ら大半の取締役が退任することとなった。

「定時株主総会延期」で取締役の大半は“任期切れ”状態に

今回の地裁決定は、経営統合協議をめぐる情報漏洩疑惑などで経営陣と対立してきた、株主かつ取締役の田原弘貴氏による「仮取締役兼仮代表取締役等選任」の申し立てを受けてのこと(本誌既報)。

その結果、阿部・井窪・片山法律事務所の大月雅博弁護士(1999年弁護士登録)が仮代表取締役として、同事務所の原田崇史弁護士(2000年同)と須崎利泰弁護士(02年同)が監査等委員である仮取締役(社外取締役)として「職務を一時行う者」に選任された。

そももそ、会社の役員(取締役・監査役)が欠けた場合、または会社法並びに定款で定めた役員の員数を欠いた場合、裁判所が必要があると認めるときに、利害関係者の申し立てにより「(役員の)職務を一時行う者」(仮取締役ら仮役員)を選任することが出来る。

クシムの場合、本来は今年1月末までに定時株主総会を開催し、取締役を選任(再任)する必要があった。ところが、定時総会が延期されたことで、大半の現取締役は1月末に任期切れとなっている状況にある。ただ、会社法では退任した(再任されていない)取締役は、新役員が就任するまでの間、役員の権利義務を有するとされている(権利義務取締役)。

この4月の臨時株主総会が焦点に

そして田原氏は2月、「権利義務取締役が職務の執行に関し不正・違法な職務執行をしている場合、株主は必要に応じて居座り続けている権利義務取締役を退任」(同氏サイト)させるため、仮役員の選任を申し立てたという経緯がある。

そして4月1日、裁判所は田原氏の申し立てを認め、仮取締役を選任したというわけだ。

決定の結果、上記の通り、1月末で任期切れとなっていた中川会長、伊藤社長に加えて松崎祐之取締役、社外取締役についても望月真克氏、中庭毅人氏の2名も退任。そして申し立てを行った田原氏も退く。現取締役で残留したのは、司法書士出身の社外取締役(監査等委員)の小川英寿氏だけとなっている。

大月弁護士ら3名はこの4月に予定されている臨時総会など、株主総会で新任取締役が選ばれるまで、職務を果たすことになる。今月中に大きな山を迎えそうだ。