【2025年3月19日「適時開示ピックアップ」】創建エース、BASE、牧野フライス、河合楽器、トランスジェニック、プロトコーポなど291件のリリース

前営業日の3月19日水曜日の日経平均株価は前日比93円安の3万7751円だった。

そんな19日の適時開示は291件。この中から、コーポレートガバナンスや経営をめぐる突発事象、リスクマネジメントに関するリリースをピックアップする。

なお、前日3月20日には午前8時半に東証プライム上場のソフトバンクグループが約9700億円を投じて米国の半導体設計企業、アンペア・コンピューティング(Ampere Computing Holdings LLC) の子会社化を発表する1件のリリースがあった。

創建エースが「子会社取引の不適切開示」で特別調査委を設置

16:30【創建エース】特別調査委員会設置に関するお知らせ
https://www.souken-a.jp/ir/

東証スタンダード上場で建設業の創建エース(東京・新宿区)は3月19日、特別調査委員会を設置することを発表した。

同社は昨年10月、証券取引等監視委員会から不適切開示が指摘されており、今回の特別調査委設置は監視委の要請を受けてのこと。なお、不適切開示は創建エースの子会社における取引をめぐってのものという。

特別調査委は、大下良仁弁護士(善国寺坂法律事務所)を委員長に、瀧澤輝弁護士(たきざわ法律事務所)、渡辺治弁護士(新樹法律事務所、公認不正検査士=CFE)、佐々木洋平公認会計士と村田茂也会計士の5人で構成されている。

なお、創建エース側は、監視委に指摘された不適切開示は2021年9月~23年6月のもので、前経営体制のもとで発生した問題としている。

メルコHD牧寛之社長から「同意なきTOB」仕掛けられたBASE

17:15【牧野フライス】ニデックによる公開買付け(予告)につき、第三者提案の具体化・検討に必要な時間の確保のみを目的とする買収への対応方針の導入のお知らせ
https://ir.makino.co.jp/news/pdf/2025/20250319.pdf

17:00【BASE】牧寛之氏からの公開買付け開始予定の連絡の受領、及びこれを受けた当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保を目的とする当社対応方針に関するお知らせ
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08546/324756fe/1c99/4926/85b1/0120e154b946/140120250319597147.pdf

ニデックから同意なきTOB(株式公開買い付け)を受けている牧野フライス製作所は3月19日、同問題のために設置した特別委員会の答申を受けて「買収への対応方針」を発表した。

一方、グロース上場でネットショップの運営支援などを手掛けるBASE(東京・六本木)は3月19日、東証スタンダード上場でデジタル家電の製造・販売するメルコホールディングス(HD、名古屋市)の牧寛之社長からTOBを始める旨、通告があったことを発表。

牧氏側はBASE株式の30%超を保有する意向としており、すでに14%超の同社株を取得しているという。

これまた同意なきTOBだが、これに対してBASE側は牧氏の動向次第では、条件付き新株予約権発行などの買収防衛策を講じるとしている。

河合楽器など「買収防衛策」廃止発表相次ぐ

15:30【河合楽器製作所】当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の非継続(廃止)に関するお知らせ
https://www2.kawai.co.jp/ir/pdf/2025/disclo_20250319-2.pdf

15:30【トランスジェニックグループ】当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の非継続(廃止)に関するお知らせ
https://transgenic-group.co.jp/pressrelease/pdf/20250319.pdf

上記のように同意なき買収が続く中、東証プライムで大手楽器メーカーの河合楽器製作所と、東証グロース上場で創薬支援のトランスジェニックグループ(福岡市)は3月19日、相次いで「買収防衛策」の廃止を発表した。河合楽器は07年6月の株主総会で防衛策を導入、その後、18年にわたって継続してきたが、今年6月の総会で廃止するという。

ただ、今回のリリースでは「企業価値および株主共同の利益を毀損するおそれのある大量買付行為が行われる場合には、当該行為を行う者に対して、株主の皆様がその是非を適切に判断するために必要かつ十分な時間と情報の提供を求めるとともに、金融商品取引法、会社法その他関連法令の許容する範囲内において、その時点で採用可能かつ適切と考えられる施策を」講じるとしている。

一方、トランスジェニックは06年6月の総会から防衛策を導入。今後、大量買い付け行為が発生した場合については施策を講じることを河合楽器と“まったく同じ文言”でリリースしている。

プロトコーポレーション 米運用会社の「MBO差し止め仮処分申請」却下

19:30【プロトコーポレーション】株主による取締役の行為の差止め仮処分命令申立ての却下決定に関するお知らせ
https://www.proto-g.co.jp/uploadcheck/?referer=/upload/file/news_release/5999/a992646b3da6489f2d15bf9637c5bcdc.pdf

中古車情報サイト「グーネット」を運営する東証プライム上場のプロトコーポレーションは3月19日、同社のMBO(経営陣買収)をめぐって米運用会社、カナメ・キャピタル・エルピーが申し立てていた「取締役の行為差し止め」の仮処分命令の申し立てが名古屋地裁で却下されたことを発表した。ただ、カナメ側が抗告する可能性もある。