【2024年10月10日「適時開示ピックアップ」】アクアライン、キャンドゥ、エスポア、セブン&アイ

10月10日木曜日の東京株式市場は続伸した。日経平均は前日より102円高い3万9380円で取引を終えた。このところの円安基調で底堅い展開となった。この日の適時開示は265件。この中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップし、周辺情報も交えてお送りする。

水回り「アクアライン」有報の訂正提出されず、監査意見を見送る

東証グロース上場で水回りの修理サービスを手掛けるアクアラインは、2025年2月期の第1四半期決算について、監査法人やまぶきは意見不表明だったことを明らかにした。アクアラインでは、加盟店との不明朗な取引が発覚。今年9月18日に特別調査委員会が、経営陣のコンプライアンス意識の希薄さなど原因とする報告書をまとめていた。監査法人やまぶきは、2024年2月期などの有価証券報告書がまだ提出されていないため、監査意見を見送った。アクアラインはこの日、社長の大垣内剛氏が月額報酬の50%を自主返納することも発表した。

【アクアライン】2025年2月期第1四半期報告書に係る 四半期レビュー報告書の結論不表明に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241010595988.pdf

100均「キャンドゥ」内部統制報告書を訂正“専門知識を有した要員不足”

東証スタンダード上場で100円ショップ゚のキャンドゥは、2024年2月期の内部統制報告書について訂正した。「内部統制は有効」から「開示すべき重要な不備に該当する」にした。キャンドゥは、2024年2月期決算で繰延税金資産を過大に計上していたことが判明し、今年10月8日に有価証券報告書を訂正した。「専門知識を有した要員が不足した」と説明している。今後、専門的な研修などの対応策に取り組む。

【キャンドゥ】内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241010596432.pdf

名証上場「エスポア」大株主提案の“臨時株主総会”を中止

名古屋証券取引所に上場する不動産開発のエスポアは、株主のJPIW社による臨時株主総会を中止したと発表した。別の第三者から公開買い付け(TOB)の提案もあり、内容が株主の利益になるのかどうか検討に時間が必要としている。JPIW社は今年8月、太陽光発電の物件に絡んで、エスポアの監査役の責任をめぐって提訴請求をしている。

【エスポア】株主による臨時株主総会開催の中止に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241010596473.pdf

セブン&アイが社名変更

セブン&アイ・ホールディングスは、社名を「7-Eleven Corporation」に変更する考えを示した。収益性の高いコンビニ事業をさらに強化する方針で、来年5月の株主総会で正式に決める。このほか、中間持ち株会社となるヨーク・ホールディングスを設立して、イトーヨーカ堂やヨークベニマル、ロフト、赤ちゃん本舗などの運営に当たる方針だ。

【セブン&アイ・ホールディングス】2024年度第2四半期(中間期) 決算説明資料https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241009595663.pdf

(平日連載、2024年10月11日公表分に続く)