10月2日の東証株式市場は反落した。中東情勢を受けた米国の株安が影響したと見られるが、この日の適時開示は、いつもより少ない120件だった。この中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどで注目される開示をピックアップし、周辺情報も交えてお送りする。
中間期決算を2日で開示「あみやき亭」の決算はやはり早かった!
■東証プライム上場の焼き肉チェーン、あみやき亭が中間決算を発表した。9月30日で決算を締めてわずか2日後、それも2日午前9時と圧倒的に早い時間帯で東証の適時開示情報閲覧サービスにアップした。通常、決算発表は東証で45日以内が求められ、大半の企業が30~40日後に決算を公表する。あみや亭が上場したのは2002年で、この頃から期末から数日後に発表しており、「早すぎる決算発表の会社」と呼ばれてきた。9月中間期の売上高は、前年同期比10.0%増の175億8400万円で、純利益は同52.9%増の8億円1900万円と好調だった。仕事が早いは、仕事が出来るということ?
「デンカ」米国の環境当局との争い続く
■1915年設立の化学メーカーで東証プライムのデンカは、米国環境保護庁との裁判協議について、米子会社の申し立てが認められ、同庁が当初設定した新規制が適用されるまでの猶予期間(今年10月15日まで)は延長されることになったと発表した。デンカの米子会社は、ウェットスーツの材料としても知られているクロロプレンゴムを製造しているが、この時に出る化学物質の大気排出で新規制について、現地の裁判所で争っていた。欧米の気候変動対策などの環境規制は強まるばかりで、日本企業の迅速な対応が求められている。
【デンカ】当社米国子会社に対する米国環境保護庁による新規制適用の猶予期間について
https://www.denka.co.jp/storage/news/pdf/1260/20241002_denka_dpe.pdf
「松尾電機」米国の反トラスト法の訴訟で和解
■東証スタンダードの松尾電機は米国の民事訴訟で和解の手続きに入ったと発表した。松尾電機を含むコンデンサのメーカーは、価格カルテルなどをしていた疑いが浮上。その後、米国の反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして、多くの原告から損害賠等を求められていた。松尾電機の発表によると、商品を購入した原告たちによる集団民事訴訟は和解で終了しているが、今回、係争中だった米電子部品メーカーのアロー・エレクトロニクス社(2023年売上高331億ドル)との間でも和解することを決定したという。和解金として 25万ドル(3600万円)を支払う予定。訴訟が盛んな米国でのカントリーリスクが表面化したケースと言えそうだ。
【松尾電機】米国民事訴訟における和解及び特別損失の計上に関するお知らせhttps://www.ncc-matsuo.co.jphttps://dqgprdcgqw05894d989c.blob.core.windows.net/blobdqgprdcgqw05894d989c/2024/10/ir2410021.pdf
子ども服「西松屋」純利益は横ばいでも“増配”の決断
■東証プライム上場で子ども用の洋服などを販売する西松屋チェーンは、剰余金の中間配当(1株あたり)について、前年同期の実績よりも1円高い15円にすると発表した。年間を通しても1円高い30円になる見通し。ただし、2日発表の中間決算では、売上高は前年同期比5.7%増の935億円だったものの、純利益は47億円とほぼ横ばいだった。上場企業の多くが株主還元の強化策として配当の増加を検討している。
疑惑渦巻く「イメージワン」再発防止策の成果は表れてきていると東証に報告
■東証スタンダードのイメージワンが東証に「改善状況報告書」を提出した。同社は昨年、不正な金品供与や空気清浄器の買い取りの偽装などの疑惑が相次いで発覚。2022年9月決算などを訂正していた。今回の改善状況報告書では、内部監査室を設置しことや、全役職員を対象にしたコンプライアンス研修を実施したことなどを記し、「再発防止策の成果は着実に表れてきている」と自己評価しているが、同社は関係先企業から損害賠償訴訟を起こされている(本連載9月27日分参照)。
【イメージワン】東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2667/tdnet/2506984/00.pdf
(平日連載、2024年10月3日公表分に続く)