9月26日木曜日は247件の上場企業等による適時開示があった。その中から、コーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどに関するものを抽出、周辺情報を交えながらお伝えする。
米系ファンドが争奪戦繰り広げる「富士ソフト」
■東証プライム上場のIT企業、富士ソフトが米国の投資ファンドKKRのTOB(公開買い付け)に対し、「引き続き賛同を表明する」との意見を公表した。ただ、KKRは条件を変えてもう一度、買い付けを実施する予定を公表しているが、これについて会社側は「意見は決定していない」と中立的な立場を明らかにした。
背景にあるのが、同じく米投資ファンドのベインキャピタルが9月3日に、富士ソフトを買収する方針を発表したことだ。KKR側は1株8800円を提示しているが、ベインはこれに5%上回る買い付け価格を提案しているという。
富士ソフトは、2022年12月の臨時株主総会でも、シンガポール系の3Dインベストメント・パートナーズによる社外取締役の選任提案を受け、一部は会社側が賛成。さらに今年3月の定時株主総会で3Dは監査役の選任などを求めたが、こちらは否決された経緯がある。今回は米国の投資ファンド同士の争奪戦の様相となっている。
【富士ソフト】(変更)「FK 株式会社による当社株券等に対する 公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」の一部変更について
https://www.fsi.co.jp/company/news/2024/20240926.pdf
エンジン認証不正「日野自動車」がカナダ集団訴訟で和解
■東証プライムでトヨタ自動車系トラックメーカーの日野自動車は、エンジンの認証不正に絡んでカナダの利用者らから起こされていた集団訴訟が和解に至ったと発表した。和解金は約60億円で、2025年3月期の第2四半期決算で特別損失を計上する。ただ、「原告側の請求について訴状記載の事実を認めたということはありません」とも記している。日野自動車は米国でも同様の訴訟があり、昨年和解していた。
【日野自動車】カナダにおける当社並びに当社米国及びカナダ子会社に対する 訴訟の和解並びに特別損失の計上に関するお知らせ
https://www.hino.co.jp/corp/for_investors/disclosure/assets/0c23b93643a6c3da2f89872595641773.pdf
不正相次ぐ「イメージワン」に訴訟提起した相手とは…
■東証スタンダードで医療・衛星画像の処理を提供するイメージ ワンは、訴訟を提起されたことを発表した。提訴したのはワンダーランド(川崎市、村上和彦代表)で、蓄電池の取引に絡み、2068万円の損害賠償を求めている。ちなみに、ワンダーランドのサイトを確認すると、〈パチンコ・スロット遊戯機販売会社〉という。
イメージワンは昨年、不正な金品供与や空気清浄器の買い取りの偽装などの疑惑が相次いで発覚。今年1月には、調査した第三者委員会(委員長:坂本朋博弁護士)が「本蓄電池取引の実在性は認められない」などとする報告書を出していた。これを受け、同社も東証に改善報告書を出すなど対応に追われた。イメージワンは今回の提訴について、「あくまでも本蓄電池取引において、ワンダーランドからバッテリーモジュールのレンタルを受けた立場である」と説明し、賠償責任は否定する方針という。
【イメージ ワン】当社に対する訴訟提起に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2667/tdnet/2504183/00.pdf
(平日連載、2024年9月27日公表分に続く)