【米国「フロードスター」列伝#10最終回後編】「高校生起業家」不正のピカレスク《後編》:更生を装って教会をも欺いた“詐欺師人生30年”

度重なる空売りと株価操作

まず、ミンコウは栄養補助食品のマルチ商法会社であるハーバライフの社長の経歴詐称を暴露した。ハーバライフはミンコウに30万ドルで和解を申し出、ミンコウは告発を撤回するプレスリリースを出した。この一連の騒動の最中、ミンコウはハーバライフ株を空売りし、5万ドルの利益を上げたのだった。

また、別のマルチ商法会社であるユサナについても「不法なねずみ講ビジネスを行っている」と告発し、500ページにもわたる報告書をSECやFBI、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)に提出した。この報告書の公開後、ユサナの株価は60ドル台から35ドルにまで急落。ミンコウはまたしてもこの下落を利用し、同社の株を空売りして利益を得た。

ユサナはミンコウの告発に対して、株価操作や名誉棄損で訴えたが、名誉棄損訴訟はのちに取り下げた。株価操作については最終的に和解となり、ミンコウは同社株を2度と取り引きしないことに同意した。彼は他企業に対しても同様の告発を繰り返すが、当該企業から虚偽として提訴されるも、ユサナのように法廷外で和解に至ったという。

しかし、大手住宅建設会社レナーをめぐって大問題に発展する。

09年、ミンコウはレナーが巨額の不正会計とポンジスキームを行っていると告発する報告書を発表。すると、レナーの株価は11.57ドルから6.55ドルへと半減。レナーはその告発内容を否定し、ミンコウを告訴する。

調査の結果、ミンコウは報告書の発表前に秘密裏にレナー株を空売りしていたことが分かった。同社に対して虚偽の情報を流し、自身が空売りした株式を故意に下落させ、利益を得たのである。