【米国「フロードスター」列伝#10最終回後編】「高校生起業家」不正のピカレスク《後編》:更生を装って教会をも欺いた“詐欺師人生30年”

信者からの相談をきっかけに調査会社「詐欺発見研究所」設立

97年、牧師となったミンコウは、信者からの相談で、3億ドル規模のポンジスキームを働く会社を調査し連邦当局に通報する。これをきっかけに、彼は営利の調査会社「詐欺発見研究所」を設立する。

この調査会社では、主にホワイトカラー犯罪、特にペニー株(低位株)企業の詐欺を暴くことに焦点を当てていた。調査結果はFBI(連邦捜査局)やSECに提供されることが多く、その活動が評価され、『ウォール・ストリート・ジャーナル』やCNNといった全国的なメディアの注目を集めた。

2006年8月には、アメリカで放送50年を超えるCBSの人気長寿ドキュメンタリー番組「60ミニッツ」でミンコウの更生談が紹介された。改心して、逆に不正調査をする彼に対して、ウォール街の投資家数名が資金を送るなど、再び彼は世間の脚光を浴びた。

しかし、この詐欺発見研究所で16件以上、総額17億ドルの事件を摘発し、詐欺発見の活動を続ける一方で、ミンコウは00年代前半から株の空売りを利用して、調査対象企業の株価操作を行っていたのだった。