“連邦犯罪被告人”水原氏を収監する「連邦矯正施設」
米国の矯正施設は大まかに分類すると、連邦犯罪の被告人を収監する連邦施設、州法違反の犯罪者を収容する州施設、自治体の拘置施設、さらに民営の矯正施設がある。
水原氏が犯した銀行詐欺や虚偽納税申告は連邦法違反のため、収監先は連邦矯正施設となる。
連邦矯正施設は、警備レベルの違いによって基本的に「ミニマム(最小限)」「ロー(低)」「ミディアム(中)」「ハイ(高)」の4つに分類される。ホワイトカラー犯罪の被告人の場合は、警備態勢が最小限か、低レベルの施設に収監されるケースが多い。
カリフォルニア州在住の水原氏の場合、家族の面会の利便性を考えれば、土地勘のある州内の施設での服役を希望する可能性が高いと見られる。ちなみに同州内には、12カ所の連邦矯正施設がある(米国全体では130カ所)。
カリフォルニア州では、ロサンゼルスから北へ約240キロの地点にある「ロンポック連邦複合矯正施設」(2種類の施設を併設、下記連邦矯正局=BOPサイト参照)が、日本でも一部の“業界”というべき、これまでに米国で訴追された従業員を抱える企業の法務部員や担当弁護士の間で知られている。
【米連邦矯正局(BOP)】FCI LOMPOC 1
https://www.bop.gov/locations/institutions/lof/
【米連邦矯正局(BOP)】FCI LOMPOC 2
https://www.bop.gov/locations/institutions/lom
2010年代に日本企業幹部が国際カルテルに関与したとして、反トラスト法違反で次々に送り込まれた、いわば日本人ビジネスマン“御用達”の施設だ。00年代初めにロンポックの施設を訪れたことのあるコンプライアンス・アドバイザーの龍義人氏に、どんな場所か聞いたことがある。
当時のロンポック連邦複合矯正施設は、低レベル警備のFCI(連邦矯正施設)と、中レベル警備のUSP(連邦刑務所)が併設されていた。龍氏が訪問したのはFCIだ。龍氏によると、施設は高さ50センチほどの柵で囲まれており、オープンな印象だったそうだ。
受刑者は調理やクリーニング、各種の修繕、植物の手入れといった労働時間以外は基本的には何をしてもよく、書籍類も許可されれば持ち込める。
収監されているのはホワイトカラー犯罪で訴追されたビジネスマンらが多く、危険な印象はまったく受けなかったという。