三菱UFJアセットマネジメントが「選任反対」した取締役・監査役リスト#2《4000~6000番台企業》

取締役14人中“女性ゼロ”のエスケー化研

多様性を理由に取締役の賛成率が最も低かったのは、東証スタンダード上場の化学会社、エスケー化研(同4628)の藤井實会長の69.89%だった。前年より5.9ポイント減。同社は独立社外取締役数も理由に反対されている。なお、2017年、創業から60年以上経っての初の社長交代で社長に就任した長男の実広氏も、多様性と社外取締役数で反対票を投じられ、賛成率は75.23%にとどまった。

エスケー化研の取締役14人中、女性は該当者なし。管理職に占める女性労働者の割合も該当者なしだ。労働者の男女の賃金差異は、男性を100とした場合、全労働者で64.1。内閣府が公表した2021年の日本企業の平均75.2を10ポイントも下回っている。

ただ、多様性を理由に反対された他の企業の取締役の賛成率は大半が80~90%台で、前年より賛成率が上昇した面々も少なくなく、日本企業全体の多様性への取り組みの遅れを象徴しているかのようだ。

監査未了を理由に反対された企業で最も取締役の賛成率が低かったのは東証プライム上場の業務用冷凍冷蔵庫大手、フクシマガリレイ(同6420)の福島裕会長の78.61%だった。前年より8.1ポイント減。同社は24年3月期決算で冷蔵設備取り付け工事の売上高計上時期について疑義があり、会計検査法人からの監査報告が総会までに間に合わない可能性があると表明。7月26日、総会参加資格のある株主を集めて株主総会を続行する「継続会」を開いた。

このほか、株主提案による取締役解任案に対し三菱UFJアセットマネジメントが「必要性がない」と反対した事案もあった。解任案への賛成率は数%にとどまるものが多かった。次回#3は7000~9000番台の企業を分析する。

各社の詳細は次ページからの一覧表をご覧いただきたい。

(#3=最終回、7000~9000番台企業リストに続く)