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【《週刊》世界のガバナンス・ニュース#6】豪英リオティント、エクイノール、英BP、仏トタル、日本ケミコン、ダイソン、米ハーシー、米モンデリーズ

豪英リオティント経営陣、ロンドン上場廃止要求を拒否

豪シドニー、英ロンドン両市場に二重上場する資源大手リオティントの経営陣に対し、物言う株主(アクティビスト)として知られる有力投資家が、ロンドン市場への上場廃止を要求したのに対し、経営陣が拒否する一幕があった。

要求を突き付けたのは、英ヘッジファンドのパリサー・キャピタル

リオティントの取締役会に書簡を送り、二重上場という形態ゆえに株式交換に基づくM&A(合併・買収)に支障を来しているなどとして、ロンドン市場への上場を廃止し、シドニー市場にのみ単独上場する形態に移行するよう求めた。二重上場により、500億米ドル(約7兆7000億円)の価値が棄損されていると主張している。

これに対しリオティントのヤコブ・スタウショーンCEO(最高経営責任者)は、ロンドンで開かれた「年次投資家サミット」で、「現在の(企業)構造が最良のものでないことを示す材料を持ち合わせていない」として、要求を拒否した。

株式時価総額で世界最大の資源会社、豪BHPも、かつてロンドン市場にも上場していたが、2022年にロンドン上場を廃止。リオティントに対しても、パリサー以外の投資家からもBHPに追随するよう圧力がかかっている。

【パリサー・キャピタル】Palliser Capital Calls for Rio Tinto to Unify Dual Listing
https://unifyrio.com/news/palliser-capital-calls-for-rio-tinto-to-unify-dual-listing

エクイノール・BP・トタル、英国初の炭素回収・貯留事業への投資を最終決定

ノルウェーのエクイノール、英BP、仏トタルエナジーズの欧州エネルギー大手3社は、英国で初めてとなる炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトへの投資を最終決定した。

プロジェクトは「ノーザン・エンデュアランス・パートナーシップ・プロジェクト」(NEP)と、「ネット・ゼロ・ティーサイド・パワー」(NZTパワー)の2件で、イングランド北東部ティーサイドに関連施設を建設する。

NEPでは、陸上の二酸化炭素(CO2)回収施設と、沖合の海底下の塩水帯水層にCO2を貯留するためのパイプラインなどが建設される。当初は年間400万トン、2035年までに年平均最大2300万トンの貯留を目指す。エクイノールとBPが権益を45%ずつ保有、残り10%をトタルが保有する。

NZTパワーでは、CO2回収能力を備えたガス火力発電所(発電容量は最大742メガワット)を建設。年間最大200万トンを回収し、NEPの処理施設に送って貯留する。こちらのプロジェクトの権益はBPが75%、エクイノールが25%を保有する。

いずれのプロジェクトも28年からの稼働を目指している。

【エクイノール】Equinor and partners approve execution of UK’s first carbon capture and storage projects
https://www.equinor.com/news/20241210-approve-execution-of-uks-first-ccs-projects

【BP】Green light for carbon capture and low carbon power joint venture projects in Teesside
https://www.bp.com/en_gb/united-kingdom/home/news/press-releases/green-light-for-carbon-capture-and-low-carbon-power-joint-venture-projects-in-teesside.html

【トタルエナジーズ】Northern Endurance Partnership launches the first CCS project in the UK with the participation of TotalEnergies
https://totalenergies.co.uk/news/northern-endurance-partnership-launches-first-ccs-project-uk-participation-totalenergies

日本ケミコンのSP子会社にダイソン関連会社が損害賠償請求

電子部品製造販売の日本ケミコンのシンガポール子会社が、家電大手ダイソン(2022年、本社を創業地の英国からシンガポールに移転)の関連会社から、約1億4554万英ポンド(約280億円)の損害賠償請求訴訟を提起されている。

原告のダイソン・マニュファクチャリングは、日本ケミコン子会社のシンガポール・ケミコンから調達した部品が原因で一部製品に不具合が生じたと主張し、シンガポール国際商事裁判所に提訴した。

日本ケミコンは、現時点で自社製部品が原告グループの製品に不具合を生じさせたことは明確になっておらず、「損害賠償等の主張は妥当ではない」と反論し、争う姿勢を示した。訴訟による業績への影響については、現時点では「合理的に算定することは困難」としている。

【日本ケミコン】シンガポールにおける当社シンガポール子会社に対する訴訟の提起に関するお知らせ
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06080/21a9cc77/83aa/4328/8ff6/ea1bf72c6d34/140120241209535738.pdf

米チョコメーカーのハーシー、食品大手モンデリーズからの“再”買収提案を拒否

ブルームバーグ・ニュースによると、米チョコレートメーカーのハーシーの主要株主が、米食品大手モンデリーズ・インターナショナルからの買収提案を再び拒否した。

ハーシーの議決権の約80%を握るハーシー・トラストが、買収提示額が低すぎるとして、反対したという。ハーシー買収が成功した暁には、合わせて売上高500億ドル(約7兆7000億円)の巨大食品企業が誕生するはずだったが、立ち消えになりそうだ。

モンデリーズは16年にも、230億ドルでの買収をハーシーズに持ち掛けたことがあるが、やはりハーシー・トラストに拒否された経緯がある。


(毎週火曜日連載、次回#7は2024年12月24日公開予定)

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