前日5月28日木曜日の日経平均株価は大幅反発、前日比710円高の3万8432円で取引を終えた。そんな5月29日の適時開示は257件だった。
「重要な担当者」の退職も引き金に…
東証スタンダード上場で調理家電など小型家電を手掛けるツインバード(新潟・燕市)は5月29日、財務報告における内部統制上の重要な不備があったことを発表した。
今回の不備は、同社で昨年12月に導入した新基幹システムで、在庫購買管理に関する会計処理の誤謬が判明したことにある。この際、システム移行に伴う検証手続きが不十分だったことにより、新システム稼働後に原価計算の結果について一部不整合が発生。その結果、システム外で対応を余儀なくされ、決算作業が遅延し、在庫購買管理を十分に統制することができなかったという。
また、ツインバードによると、基幹システムの該当箇所の開発要件を理解していた〈重要な担当者〉が退社したが、引き継ぎが適切になされなかったといい、必要な人的リソースが不足していたことも今回の問題の背景にあったとしている。
ただ、誤謬があることが判明したのが決算末日後だったため、25年2月期中に内容を是正することができなかった。
これを受けてツインバードは、5月29日付で関東財務局に提出した25年2月期の内部統制報告書において「財務報告に係る内部統制は有効ではない」旨を記載することを余儀なくされた。なお、同社は必要な修正はすべて財務諸表に反映しているとしたうえで、新システムの再検証や人員補強などの改善策を行う。
一方、ツインバードが4月に発表した25年2月期決算の最終損益は前の期1億円の黒字から1億円の赤字に転落、5期ぶりの最終赤字に沈んだ。26年2月期は1億円の最終黒字を見込んでいる。
【ツインバード】財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ
https://www.twinbird.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/05/zaimuhoukokunikakawaru_oshirase_20250529.pdf