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AGP、JAL非公開化提案に反対「買取価格1550円は安すぎる」

JALとの応酬の末に「反対」を正式表明

東証スタンダード上場で国内主要空港においてインフラ事業を手掛けるエージーピー(AGP)は5月26日午後、筆頭株主である日本航空(JAL)による非公開化を軸とした株主提案について、正式に「反対」を表明した。

本誌でも報じてきたとおり、JALは4月25日、持分法適用会社のAGPに対してJALと2位株主の日本空港ビルデング、3位株主のANAホールディングス(HD)の3社のみを株主とする株式併合を実施し、上場廃止とする株主提案を発表した。

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これに対しAGPはこれまで「同意していない」としながらも、正式な意見表明を行ってこなかったが、今年1月にJALからの非上場化の打診を受けて2月に設置した特別委員会(AGP社外取締役らのみで構成)、さらに提案発表後の今月5月に設置した有識者よるガバナンス検証委員会から答申を受領。それらを踏まえて、株主提案に反対することにした。

なお、JAL側は来月6月26日開催予定のAGPの定時株主総会において、株式併合と併せて、定款変更、取締役3名の選任も提案しているが、AGP側はこれらいずれもの株主提案に反対するとしている。

特に提案の核となる非公開化について、JALは「脱炭素の促進」を目的としているものの、説得力のある根拠示されておらず、目的の合理性がない。加えて、TOB(株式公開買い付け)を経ない株式併合による非公開化は、少数株主の排除を強行しようとするものとして、手続きの公正性が著しく欠けている――と、AGPは反対の理由を記載している。

そして、JALの株主提案の可否にかかわらず、少数株主の最大の関心事と言える買取価格についても、AGPは異議を申し立てているのだ。