3年前には副社長がインサイダー取引関与
IRジャパンHDをめぐっては3年前の22年6月にも、当時の代表取締役副社長がインサイダー取引の疑いがあるとして、監視委が強制調査を実施。調査直後に副社長は一身上の都合で辞任したものの、翌23年、元副社長は金融商品取引法違反で逮捕・起訴され、東京地裁は同年10月、懲役1年6カ月(執行猶予3年)の有罪判決を下しているのだ(現在、有罪判決は確定)。
「役員によるインサイダー取引関与」という事態を受け、IRジャパンHDは元金融庁長官で現在はソニーフィナンシャルグループ社長を務める遠藤俊英氏などを委員とする調査委員会を設置、強制調査2カ月後の22年8月に調査報告書を受け取った。ところが、その後、経済メディアの「ダイヤモンド・オンライン」による同社をめぐる連続報道を受ける形で再調査の必要に迫られ、第三者委員会をさらに設置するなどした経緯がある。
この過程で企業風土を含めてコーポレートガバナンスを見直し、再構築を進めているはずだった中での、今回の監視委の調査と言える。
一方、IRジャパンHDの業績に目を転じると、22年3月期は約84億円の売上高を計上したものの、元副社長のインサイダー事件発覚後の23年3月期は約60億円、24年3月期は約57億円、そして25年3月期は約58億円。純利益は22年3月期に約24億円だったものが、23年3月期は6億7000万円、24年3月期は7億6000万円、25年3月期は約7億円という状況が続く。
なお、同社の株価は23日11時半時点で前日の895円から急落、ストップ安水準となっている。