アゴーラホスピタリティー“大阪万博”で株価急騰も監査役候補が辞退【2025年3月18日「適時開示ピックアップ」】

旧東海観光が源流、大阪・堺のホテル開業で「大阪万博銘柄」に

そもそも「アゴーラホスピタリティーグループ」という社名はいかにも外資系という印象だが、源流はそうではなく、社歴は昭和23年(1948年)創立の「さくら観光」にまで遡る。翌49年には早々に東証一部(当時)に上場。その後53年に東海観光事業と合併し社名を「東海観光」として2012年5月のアゴーラの現社名変更まで存続してきたという経緯がある。

画期は97年のファー・イースト・グローバル・アジア・リミテッドに対する第三者割当増資だったようだ。99年にファー・イーストはいったん持ち株を売却するものの、07年6月に今度は新株予約権を行使し再び親会社に。以降はマレーシアの霊園事業などに参画している。

なお、現在もファー・イースト・グローバル・アジア(東京・港区のアゴーラ本社と同じ所在地)が11.42%の持ち分を保有する第3位株主だ(昨年6月末現在)

ところで、アゴーラはここ1カ月で株価を大きく上げている。1月には50円を割っていた株価が3月18日終値で100円まで急上昇。3月25日、大阪・堺市の堺旧港エリアに新ホテル「ドーセット・バイ・アゴーラ大阪堺」をオープンすることが好感されたから――というのが株価急騰の要因のようだ。

特に堺旧港は大阪・関西万博会場との海上交通ポイントとなるため、追い風に乗った格好。同地の再開発をめぐっては17年、堺市による市有地民活でアゴーラが選ばれていた。

大阪万博の先行きに不透明感は残るものの、その波に乗って株価が急騰する中、アゴーラは3月25日の定時株主総会までにビュエン氏に代わる社外監査役候補を見つけ出すことは出来るのか。

なお、アゴーラは3月18日リリースで〈招集通知記載の決議事項第2号議案「監査役3名選任の件」の扱いにつきましては、現在検討中です。その対応が確定した場合には速やかにお知らせいたします〉としている。

期せずして、あるいは満を持してなのか、株主総会は「ドーセット・バイ・アゴーラ大阪堺」の開業日。会場も同ホテル3階の「利休」とのことである。