12月12日の東京株式市場は4日続伸した。日経平均株価は日から476円値上がりし、3万9849円で引けた。ハイテク株中心の米ナスダック市場の高値の流れを引き継いだ。そんな12日の適時開示は196件。この中からコーポレートガバナンスやコンプライアンス、リスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ、周辺情報も交えてお送りする。
78歳会長兼社長が死去「知多鋼業」直前に代表取締役を追加選任
名古屋証券取引所(名証)上場で二輪車や四輪車用ばねメーカー、知多鋼業(愛知・春日井市)は代表取締役会長兼社長の吉田修氏が12月11日に死去したと発表した。78歳だった。
吉田氏は1965年5月に入社し、営業部長などを経て、2008年5月に代表取締役社長に就いていた。
ただ、最悪の事態を予期していたのか、知多鋼業は吉田氏が亡くなる前々日の12月9日に、旧東海銀行(現三菱UFJ銀行)出身の太田晴之氏を常務取締役から代表取締役常務に就けていた。翌10日に代表取締役を2人体制にしたと発表していた。
【知多鋼業】代表取締役会長兼社長の逝去および代表取締役の異動に関するお知らせ(訃報)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241212537709.pdf
美容機器「MTG」ハウスエージェンシー不正で調査委立ち上げへ
東証グロース上場の美容・健康機器メーカーで、「SIXPAD」(シックスパッド)などで知られるMTG(名古屋市)は、完全子会社で広告代理業のM’sエージェンシー(同)でマーケティング費の過少計上の疑いがあることが判明したと発表した。
今年12月上旬、書類を改竄し、費用上を年度でずらしたり、未計上だったりした疑い発覚した。現時点で6億6000万円の費用の過少計上の可能性があるという。近く、外部の専門家を含む調査委員会を立ち上げる。
テレビ通販を含む積極的な広告展開を行うMTGだが、そこに大きなリスクがあったということか。コーポレートガバナンスの状況にも注目が集まる。
【MTG】当社連結子会社におけるマーケティング費の過少計上の疑いに関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241212537656.pdf
公取委が“確約計画”認定「橋本総業HD」独禁法問題解決へ
東証スタンダードで住宅設備機器などを扱う橋本総業ホールディングス(HD、東京・中央区)は、子会社の橋本総業を対象にした公正取引委員会の調査が終わり、確約手続きによる確約計画が認定されたと発表した。
確約手続きとは、独占禁止法違反の疑いがある事業活動について、公取委と事業者との間の合意により独占禁止法上の問題を自主的に解決する手法。問題行為の迅速な解消が見込める半面、内容の詳細が公開されないとの指摘がある。
今回は、橋本総業の物流事業が問題視されていた。橋本総業HDは、「コンプライアンスの徹底を一層強化し、物流業者各位と真のパートナーシップを構築して事業活動を進めてまいりたい」とコメントした。
【橋本総業ホールディングス】公正取引委員会による調査の終了に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241212537278.pdf
「昭和産業」不正行為の疑いで元従業員に損害賠償訴訟
東証プライムで製粉や油脂などを扱う食品会社の昭和産業は、元従業員による不正行為が判明し、約1億3000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。
不正行為は、2023 年7月、鹿島工場品質管理室(茨城・神栖市)における検査用消耗品の前年度仕入れデータに異常値があることを発見し、社内調査を実施。その後、元従業員の関与が疑われたため、さらに調査を進めたところ、当該元従業員が13年1月から22年8月まで、品質管理検査に必要な消耗品の購入などと偽り、約1億4900万円分のノート型パソコンを購入して買い取り業者に売却し、約1億800万円を着服していたという。
元従業員は今年3月に懲戒解雇されているが、約10年という長期にわたる不正。管理体制がどうなっていたのかなど、昭和産業の内部統制に疑義が残る問題だ。
【昭和産業】当社元従業員による不正行為及び同人に対する訴訟提起のお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241129532094.pdf
(平日連載、2024年12月13日公表分に続く)