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【2024年9月25日「適時開示ピックアップ」】サニーサイド、銀のさら、良品計画、バルカー 他

9月25日水曜日は、前日とほぼ同じ178件の上場企業等による適時開示があった。その中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどに関するものを抽出、周辺情報を交えながらお伝えする。

若者は知っている? 「中田英寿」を執行役員にしたPR会社

■この日のコーポレートガバナンスのホットな話題と言えば、東証スタンダード上場のサニーサイドアップグループの適時開示。執行役員、そして“エグゼクティブオフィサー”なる役職にサッカー元日本代表の中田英寿が就任することを発表したためだ。同社は1985年設立のPR会社で、スポーツ選手や文化人などのマネジメントも手掛けている。中田も同社所属のタレントで、第3位の大株主でもある(今年6月末時点)。創業社長の次原悦子氏は“やり手”として業界でも知られる存在だが、昨年10月にはプライム市場からスタンダード市場へと鞍替えした。サッカー選手としての中田を今の若者がどれほど認識しているかは不明ながら、次原氏の面目躍如となるか。

■産業用の樹脂製品などを手がける東証プライム市場上場のバルカーは、幹部社員による不正行為があったとして、特別調査委員会を設置することを25日の取締役会で決めた。プレスリリースによると、執行役員と従業員が、取引先と示し合わせて代金を水増しして発注。その捻出した資金の一部を着服していたという“初歩的”というべき不正行為。外部通報がきっかけで発覚し、損害額は約2億円としている。ちなみに、2024年3月期の営業利益は71億円だった。

なお、特別調査委は、社外取締役、コンプライアンス担当の常務執行役員、弁護士2人、公認会計士1人の計5人体制。委員長は社外取締役で、元タカラトミー専務取締役CFO(最高財務責任者)の沓澤浩也氏が務める。この数年、会社の自浄能力や、社外取締役の活用の観点から、第三者委員会のトップなどに社外取締役を採用するケースが出てきている。

【バルカー】当社執行役員および従業員による不正行為の発覚ならびに特別調査委員会の設置に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7995/tdnet/2503845/00.pdf

■宅配寿司「銀のさら」など宅配事業を展開する東証スタンダードのライドオンエクスプレスホールディングス(HD)は、業績を下方修正し、中期経営計画を取り下げると発表した。コロナ禍が治まり売上高は回復しているものの、原材料が高騰して収益に影響が出たという。中計では、2024年3月期のグループ経常利益6億円を26年3月期に12億円と倍増することなどを示していたが、「セカンドブランドの強化」もままならず、絵に描いた餅となったようだ。

【ライドオンエクスプレスHD】連結業績予想の修正及び中期経営計画の取り下げに関するお知らせ
https://data.swcms.net/file/rideonexpress/ja/irnews/auto_20240924588088/pdfFile.pdf

良品計画、ドリーム・アーツ「社員を経営に巻き込む施策」

■全国で「無印良品」を展開する良品計画は、従業員の福利厚生や業績に関する意識を高めるため、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」を導入すると発表した。同社が保有する自己株式と信託を使う方式で、同社は約105万株(27億円相当)を信託側に譲渡する。対象は持ち株会に入っている従業員で、株式の値上がり益を受け取ることができる。役員に対する株式報酬が普及し、この数年は従業員にも株価上昇の利益を享受してもらおうとさまざまな仕組みが開発され、大企業を中心に導入され始めている。

【良品計画】「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」の導入について
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7453/tdnet/2504039/00.pdf

■企業向けクラウドサービスを展開し、東証グロース市場に上場するドリーム・アーツは、従業員持ち株会を設置する。株式を持つことで経営への参画意識を高めてもらうことが狙いという。1口1000円で、月の上限は50口(5万円)。20%の奨励金を出す。同社は1996年設立で、従業員数は268人(2023年12月期)。社長は『「IT断食」のすすめ』(共著、2011年)などの著書がある創業者の山本孝昭氏。社員は同制度を使うことにより、どれだけ経営マインドを醸成することができるのだろうか。

【ドリーム・アーツ】従業員持株会設立に関するお知らせ
https://pdf.irpocket.com/C4811/EAzE/nq83/fQ0U.pdf

(平日連載、2024年9月26日公表分に続く)

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