ホワイトカラー犯罪の不正実行者「フロードスター」を各回1人ずつ紹介する、本誌「Governance Q」と公認不正会計士協会(Association of Certified Fraud Examiners=ACFE、本部=米国テキサス州) の特別連携企画「アメリカ『フロードスター』列伝」は、本編でいよいよその最終回を迎える。
この特別連携企画のもととなっているのは、不正対策を使命とする世界的組織ACFEの「フロードスターとの会話」(Conversation with a Fraudster)と呼ばれるインタビューである。同協会のジョン・ギル会長は、ACFE本部の会報誌『FRAUD MAGAZINE』(フロードマガジン)の2024年11・12月号 の巻頭言で、フロードスターにインタビューする意義を伝えている。
さまざまなフロードスターをインタビューする際、ギル会長はドナルド・クレッシーの「不正のトライアングル」の3つの要因に着目して質問してきたと語っている。その理由は、内部統制、テクノロジー、監督のどこに不備があったのか、フロードスターはその答えを与えてくれるからだという。
そのギル会長がこの巻頭言で印象深いフロードスターとして名前を挙げている人物こそ、本シリーズの最後を飾るフロードスター、バリー・ミンコウである。