【特集】経営者「女性スキャンダル」とガバナンス
企業社会においても「ダイバーシティ(多様性)」が叫ばれる昨今、愛人を持つことを”男の甲斐性”と考え、不貞は功成り名遂げた”英雄の恩典”などと考える男性経営者は少なくとも表面上は絶滅しているはずだった……。しかし現実には、自らの衝動を抑え切れない企業トップたちが後を絶たない。
経営者の醜聞は言うまでもなく、企業そのもののレピュテーション(評判)リスクに直結する。そうである以上、一定以上のモラルを持ち合わせたトップを選任するのが取締役会の務めと言える。そして万が一にも、醜聞に塗れ、企業の信頼を著しく毀損する経営者が現れれば、適宜適切に”排除”することこそ、その会社のガバナンスが機能していることの証左なのである。
そこで今回、本誌「Governance Q」では、往々にして卑俗な嗤いとともに語られがちな経営者の「女性スキャンダル」を真正面からアプローチすることはもちろん、大手企業の社外取締役、弁護士、広報研究者、そしてエジプト出身のコメンテーターと、いずれも女性の有識者に問題の核心を聞いた--。ダイバーシティの時代における個人スキャンダルとガバナンスの在り方を検証する。