会社側の社外取締役候補に突き付けられた疑義
それだけではない。特に、フジテック3人の社外取締役については、微に入り細を穿つ調査を行い相関図まで作成して攻撃した。
2018年にフジテックの社外取締役となった元丸紅副会長の山添茂の例を見てみよう。
山添は、2020年にはみずほキャピタルパートナーズ(現MCPパートナーズ)の社外取締役に就いたが、MCPが傘下に収まるみずほフィナンシャルグループは、丸紅とフジテックの双方のメインバンクであり、いわゆる「持ち合い」を続ける関係でもある。オアシスは、そこに山添の独立性の希薄さを指摘する。
オアシスが示したフジテック側社外取締役候補者の独立性の疑義

また、2022年にフジテックの社外取締役となった弁護士の大石歌織は、フジテックとかねて取引関係にあるという「北浜法律事務所」の所属。大石が就任する直前までは、北浜法律事務所の設立者である佐伯照道が社外取締役を務めていた。
オアシスが示したフジテック側社外取締役候補者の独立性の疑義

長らく外国人から忌み嫌われ、解消を求められて来た日本独特の政策保有株の持ち合いや弁護士事務所との取引関係から社外取締役の「独立性」に疑義を投げかけたオアシスは、日本企業の多くが改革を避けてきたコーポレートガバナンスの急所に、これ幸いと噛みついたのだ。
このときの内山やフジテック取締役会の困惑は、想像に難くない。オアシスが主張するような真の独立性を担保する社外取締役を選任することは、社外人材が極端に不足する日本では難しいことかもしれない。しかし、そんな日本の事情など、いちいち慮りはしない欧米の投資家からしてみれば、オアシスの主張は至極当然のことだった。