2023年2月臨時株主総会の泥仕合
「現在の社外取締役は、(中略)内山家と連携する立場を取っています。そして、内山家が不適切な関連当事者取引を行ない、当社の持続的成長に向けたリーダーシップを内山氏が発揮してこなかった責任の追及を怠っており、株主、従業員、顧客を含むすべての利害関係者の利益よりも内山家の利益を優先しています」
2022年12月5日、フジテックの社外取締役6名の解任と新たにオアシスが選定した7名(後に6名に変更)の社外取締役の選任を株主提案し、臨時株主総会の招集を請求した。
ターゲットは、内山家との関連当事者取引や内山の“非取締役会長”就任を容認した6人の社外取締役だった。株主の負託を受けているはずの社外取締役が、株主全体の意向を軽視し、創業家に従属的に従っている――。オアシスの戦略は、創業家が支配するフジテックのコーポレートガバナンス問題を浮き彫りにすることだった。
黙っているわけにはいかなくなったフジテックは、抗戦を試みる。
翌2023年1月20日、フジテック側も新たに社外取締役2人の選任を提案し、オアシスの株主提案に対して反対を表明した。さらに、オアシスが内山家との関連当事者取引をスキャンダラスに追及したのと同様に、オアシスの最高投資責任者のセス・フィッシャーの個人攻撃に踏み切った。
日本経済新聞の報道(2011年9月15日付)を根拠に、セス・フィッシャーが2011年に日本航空株式に係わる相場操縦疑惑によって、証券取引等監視委員会と香港証券先物委員会の協力のもとで処分を受けていたことを指摘、また、株主提案の社外候補の一人が以前勤めていた職場で労働・報酬問題で訴訟沙汰になっていたことも暴き立てた。
論戦は、泥仕合の様相を呈していく。
さらに、フジテックはオアシスが指摘するコーポレートガバナンスの軽視について、こう反論してみせた。
「当社は国内最大級のコーポレート・ガバナンス(原文ママ)に関する網羅的なサーベイである、三井住友信託銀行の「ガバナンスサーベイ」のすべての項目において、同規模/同属性の上場企業を上回るスコアを獲得しております」
しかし、フジテックの主張に対するオアシスの反論は、想像を絶するものだった。