内山が窮地に陥るほどに株価が上昇していく……
創業家は、アクティビストの恐ろしさに震え上がったことだろう。オアシスの攻勢が強まるほど、フジテックの株価は上昇するからだ。
前回も触れたとおり、内山が率いたフジテックの過去10年間の業績は右肩上がりだった。2013年3月期に売上高が約1175億円、純利益が約55億円だったが、2022年3月期にはそれぞれ約1870億円、約108億円まで伸ばしていた。特にオアシスに難癖をつけられた2022年3月期は、コロナ禍の混乱から早々に立ち直り、収益ともに過去最高を記録していた。
一方で、株価はパッとしなかった。13年以降、1000〜2000円の間を横ばいに推移し、PBR(株価純資産倍率)も1倍台だった。ところが、オアシスが“反創業家”キャンペーンを始めた2022年以降、PBRは2倍以上に跳ね上がる。
オアシスが内山再任に反対を表明した2022年5月20日の株価(終値)は2514円だった。それが、株主総会での敵前逃亡を経て、オアシスの創業家追及キャンペーンが継続されることがわかった2022年6月29日には、3005円(同前)に達した。なお、8月1日の終値は3667円だった。
株主の期待は、オアシスに寄せられた。株価が上がるほどに、皮肉にもフジテックを手塩にかけて育て上げた創業家は追い詰められていくのだった。
「内山高一による権力濫用からフジテックを守りましょう」
内山が会長に納まった半年後の2022年12月、オアシスは「プロテクト・フジテック」の第2弾キャンペーンサイトを公開し決戦に打って出る。持ち株比率は約17%まで増えていた。