3. 不審な取引および資金の一時保留
金融機関が、当該取引について以下のいずれかに該当すると合理的に判断した場合、その取引は「不審な取引」と見なされます。
a)通常とは異なる取引であると見受けられる場合
b)明確な経済的目的が認められない場合
c)不明または違法な資金源に由来すると見受けられる場合
d)ソーシャルエンジニアリング手法により実行されたと疑われる場合
金融機関は、BSPが定める期間内(30暦日を超えない範囲)で、不審な取引に係る資金を一時的に保留する権限を有します。ただし、裁判所の命令により延長されることがあります。金融機関は、当該資金の一時保留を実施した際にはBSPに通知しなければなりません。
このような資金の保留を怠った金融機関には、その失態に起因する損害に対する責任および当該資金の返還義務が生じます。また、許容期間を超えて資金を保留した場合や、不適切に保留した場合には、共和国法第7653号(新中央銀行法)に基づく行政措置の対象となります。
4. BSPの権限
調査権限
BSPは、上記違反行為に関連する可能性のある金融口座について調査を実施する権限を有します。金融機関またはその取締役、役員、従業員は、BSPの金融口座調査命令に基づき行動した場合には、その行為に関して責任を問われません。
令状および命令の申請権限
BSPは、サイバー犯罪関連の令状を申請し、電子通信に関連する命令を発行する権限を有します。これには、国家捜査局(NBI)およびフィリピン国家警察(PNP)の協力を得て、事件の調査およびサイバー犯罪令状の執行を行うことが含まれます。
情報共有に関する規定
BSPは、金融口座の調査・照会に関連し、法執行機関およびその他の権限ある機関との間で情報の共有および開示に関する規則を発行することができます。
5. 罰則
AFASAのいずれかの条項に違反した者は、懲役刑、罰金、またはその両方が科される可能性があります。また、金融口座の閉鎖および当該口座内の資金の没収が命じられる場合があります。さらに、公務員がAFASAに違反した場合には、将来にわたって一切の公職に就く資格を失う処分(perpetual absolute disqualification)が科されることがあります。
(了)